民法第一問
1 小問1について
(1) 本問において、Cは連帯保証人であることから、Aからの保証債務の履行請求に対しては、催告の抗弁権や、検索の抗弁権を行使する、という主張をすることはできない(452条、453条)。
しかし、Aが提供した工場用機械は不具合があることからBは修理を求めている。かかる場合に、Cが何らの主張もせずに保証債務を履行しなければならないのは不公平である。
(2) そこで、CはBの損害賠償請求権による相殺権(457条2項)の行使を主張する
ことが考えられるが、可能であろうか。
本問で、Aが提供した工場用機械は不具合があり、本来の商品生産能力を有しない
ため、通常有すべき性質を欠いているといえるから、「瑕疵」があるといえる。そこ
で、損害賠償請求することが可能である(634条2項)。
(3) そうであるとしても、請負の損害賠償請求権には同時履行の抗弁権が付着してい
ることから(634条2項後段)相殺できないのではないか。
思うに、受動債権に同時履行の抗弁権が付着している場合にそう債権の行使が許
されないのは、債務者の抗弁権の主張を一方的に奪うことになるのは公平ではない
からである。しかし、請負の損害賠償債権と代金債権とでは、互いに両債権を現実
に履行する必要はないため、相殺を認めても衡平には反しない。そこで、請負の損
害賠償債権と代金債権とは、相殺できると解する。
(4) 以上より、Cは、Bの損害賠償請求権による相殺権を行使して、残額のみ支払う、
との主張をすることができる。
2 小問2について
(1) Dは、Bの工場用工作機械を修理していることから、修理代金債権を有してい
る。一方、BはAに対して瑕疵の修補による損害賠償請求権、ならびに工場用機械
に不具合があることから生じた商品生産能力しかないことから生じた損害賠償請求
権を有している。
そこで、DはAに対して債権者代位権(423条)を行使することが考えられるが、
可能であろうか。
(2) まず、BはAとの請負契約を結んでいるが、Aが引き渡した工場用機械は「不
具合」があることから、瑕疵があるといえる。そして、BはDと修理契約を結んでおり、Dには修理代金額相当の損害賠償債権(634条2項)があるから、「自己の債権」を有している。
(3)ア そして、Bは工場用機械の瑕疵に基づく損害賠償請求権をAに対して有している(634条2項) ことから、「債務者に属する権利」がある。
イ また、本件工作機械は一時間当たり5000個の生産能力があるはずなのに、
2000個の生産能力しかないことから、生産能力の低下による損害の賠償を請求することが考えられる。ここで、請負契約は完成したものを引き渡す義務を負うことから、損害賠償請求は債務不履行の性質をも有していると解する。そこで、損害賠償請求できる範囲については、信頼利益のほか、履行利益も含むものと解する。
そこで、本問ではBはAに対して一時間あたりの商品生産能力が2000個しかないことから生じる損害についても損害賠償請求権を有している(634条2項)ことから、「債務者に属する権利」がある。
(4) 次に、Bは「多額の債務を残し行方不明になっている」ことから無資力であるといえる。
(5) 以上よりDは、BのAに対する、工場用機械の瑕疵に基づく損害賠償請求権と、一時間あたりの商品生産能力が2000個しかないことから生じる損害についての損害賠償請求権について債権者代位権を行使して、請求することができる。
以 上
1 小問1について
(1) 本問において、Cは連帯保証人であることから、Aからの保証債務の履行請求に対しては、催告の抗弁権や、検索の抗弁権を行使する、という主張をすることはできない(452条、453条)。
しかし、Aが提供した工場用機械は不具合があることからBは修理を求めている。かかる場合に、Cが何らの主張もせずに保証債務を履行しなければならないのは不公平である。
(2) そこで、CはBの損害賠償請求権による相殺権(457条2項)の行使を主張する
ことが考えられるが、可能であろうか。
本問で、Aが提供した工場用機械は不具合があり、本来の商品生産能力を有しない
ため、通常有すべき性質を欠いているといえるから、「瑕疵」があるといえる。そこ
で、損害賠償請求することが可能である(634条2項)。
(3) そうであるとしても、請負の損害賠償請求権には同時履行の抗弁権が付着してい
ることから(634条2項後段)相殺できないのではないか。
思うに、受動債権に同時履行の抗弁権が付着している場合にそう債権の行使が許
されないのは、債務者の抗弁権の主張を一方的に奪うことになるのは公平ではない
からである。しかし、請負の損害賠償債権と代金債権とでは、互いに両債権を現実
に履行する必要はないため、相殺を認めても衡平には反しない。そこで、請負の損
害賠償債権と代金債権とは、相殺できると解する。
(4) 以上より、Cは、Bの損害賠償請求権による相殺権を行使して、残額のみ支払う、
との主張をすることができる。
2 小問2について
(1) Dは、Bの工場用工作機械を修理していることから、修理代金債権を有してい
る。一方、BはAに対して瑕疵の修補による損害賠償請求権、ならびに工場用機械
に不具合があることから生じた商品生産能力しかないことから生じた損害賠償請求
権を有している。
そこで、DはAに対して債権者代位権(423条)を行使することが考えられるが、
可能であろうか。
(2) まず、BはAとの請負契約を結んでいるが、Aが引き渡した工場用機械は「不
具合」があることから、瑕疵があるといえる。そして、BはDと修理契約を結んでおり、Dには修理代金額相当の損害賠償債権(634条2項)があるから、「自己の債権」を有している。
(3)ア そして、Bは工場用機械の瑕疵に基づく損害賠償請求権をAに対して有している(634条2項) ことから、「債務者に属する権利」がある。
イ また、本件工作機械は一時間当たり5000個の生産能力があるはずなのに、
2000個の生産能力しかないことから、生産能力の低下による損害の賠償を請求することが考えられる。ここで、請負契約は完成したものを引き渡す義務を負うことから、損害賠償請求は債務不履行の性質をも有していると解する。そこで、損害賠償請求できる範囲については、信頼利益のほか、履行利益も含むものと解する。
そこで、本問ではBはAに対して一時間あたりの商品生産能力が2000個しかないことから生じる損害についても損害賠償請求権を有している(634条2項)ことから、「債務者に属する権利」がある。
(4) 次に、Bは「多額の債務を残し行方不明になっている」ことから無資力であるといえる。
(5) 以上よりDは、BのAに対する、工場用機械の瑕疵に基づく損害賠償請求権と、一時間あたりの商品生産能力が2000個しかないことから生じる損害についての損害賠償請求権について債権者代位権を行使して、請求することができる。
以 上