![実際、仕事と恋人どっちが大切?](https://stat.ameba.jp/common_style/img/home_common/home/ameba/allskin/ico_kuchikomi2.gif)
平和な日本を我が物にせんと攻撃を繰り返すミケーネ帝国。
攻められる側からすればただの侵略者だが、侵略する側にも彼らなりの大義が存在してる。
当然その大義に殉じることもいとわない勇者も数多い。
そして、勇者は必ずしも男性とは限らない。
攻められる側からすればただの侵略者だが、侵略する側にも彼らなりの大義が存在してる。
当然その大義に殉じることもいとわない勇者も数多い。
そして、勇者は必ずしも男性とは限らない。
ミケーネ諜報軍の前線基地・火山島。
戦闘獣形態のヤヌス侯爵が司令室に座っている。
「わが諜報軍最強の兵士・マリゲラよ…」
ヤヌスの前に傅く人間体の女性。
「はっ」
「いよいよお前の出番だ。ミケーネ帝国の再興の邪魔者、憎きグレートマジンガーを倒すのだ」
「承知いたしました」
顔を上げ、凛とした美しい表情でヤヌスを見るマリゲラ。
「できるか?強いぞ、グレートマジンガーは」
「できる、できないではありません」
立ち上がり、胸に手を添える。
「たとえ刺し違えることになろうとも、必ずやグレートマジンガーをこの手で葬ってみせます」
「頼もしいな。頼んだぞ」
ヤヌスが椅子に付いているボタンを押すと、スクリーンに戦闘獣が映る。
濃いオレンジとピンクに彩られた、美しい女性型の戦闘獣が。
「ミケーネ諜報軍の総力を結集して造られたこの戦闘獣マリゲラは、グレートマジンガーにも劣らないはずだ」
「お任せください」
深々と一礼し、退室するマリゲラ。
それから数日後。
グレートマジンガーと戦闘獣との1対1の決闘がヤヌスから申し込まれた。
指定された崖に囲まれた海岸沿いの荒れ地に到着するグレートと鉄也。
彼を待ち受けていたのは一人の美しい女性であった。
ブレーンコンドルが着陸し、鉄也が女性の前に歩み寄る。
「君は?」
不審に思った鉄也が問いかける。
「わたしの名はマリゲラ。ミケーネ諜報軍の戦士だ」
「グレートマジンガーの相手は…お前か?」
「そうだ」
「勝てると思っているのか?グレートに」
「勝つ。それが私の使命だ」
「グレートは強いぜ?」
「知っている。多くの仲間が倒された」
「それでも戦うのか?」
「当然だ。私はミケーネの誇り高き戦士だ」
正面から澄んだ瞳で鉄也を見つめるマリゲラ。
その瞳は『なぜそんなわかりきったことを聞く?』と言っていた。
「手加減はしないぜ?」
「もちろんこちらも」
何気ない会話の中で、鉄也はマリゲラが今までで最も手ごわい相手となるであろうことを察していた。
淡々とした、肩に力の入っていない自然体の落ち着き払った受け答え。
相当の自信があるに違いない。
「戦闘獣はどこだ?」
「すぐそこだ。出でよ、戦闘獣マリゲラ」
海面を割って姿を現す巨大な戦闘獣。
濡れたグラマラスなボディが太陽の光を浴びてキラキラと輝いている。
その腹部には巨大なマリゲラの顔が。
「準備万端ってわけだな」
「剣鉄也、グレートマジンガーに乗れ。私もマリゲラと一つになる」
鉄也はブレーンコンドルに戻り、ファイアーオン。
グレートの起動を見届けたマリゲラが両手を広げると、腹部の顔から光が放たれて、戦闘獣と融合していく。
光が消えると腹部の顔の瞳が開く。
「さあこい、グレートマジンガー。今日ここでお前を倒し、ミケーネ帝国の世界征服を実現する。それが私の使命」
「そうは問屋が卸さないぜ。生憎な」
ゆっくりと戦闘態勢に入る二人。
人類とミケーネの未来とプライドをかけた戦いが今始まったのだ。
【続く】