デスマッチ!! 甦れ我等の マジンガーZ!!(Inspired by S/Kさん) | ロボットヒロイン大好き!

ロボットヒロイン大好き!

ロボットアニメに登場したヒロイン話を中心に、いろいろな事を書き散らかしていきたいと思います。

「贅沢な瞬間」ってどんな時? ブログネタ:「贅沢な瞬間」ってどんな時? 参加中


ロボットヒロイン大好き!-kyoko

Dr.ヘルの機械獣軍団を倒してたマジンガーZと光子力研究所の仲間たち。
しかし、平和な日々は長くは続かなかった。
突如現れたミケーネの戦闘獣・グラトニオスとビラニアス。
圧倒的な破壊力の彼らの前に、ボスボロットは倒れ、そして我等がマジンガーZも絶体絶命の大ピンチに。
Dr.ヘルとの最終決戦でダイアナンAを失ったさやかは、この状況を黙って見守るしかなかった。
「甲児くん・・・」
スクリーンに映し出される傷だらけのZと甲児の姿を見て涙を流すさやか。
腕組みをして、深刻な表情で目を閉じていた弓教授が口を開く。
「さやか、世界平和のため・・・甲児くんのために命を投げ出す覚悟はあるか?」
「もちろんよ」
「では一緒に来てくれ」
コントロールタワーからエレベーターに乗り込む二人。
階数表示の最深階を越え、さらに下降していくエレベーター。
「お父さま・・・どこにいくの?」
さやかの問いかけにも黙ったままの弓教授。
エレベーターが突然止まり、ドアが開く。
そこは秘密の格納庫兼工場だった。
「こ・・・これは・・・」


「くそっ、動け!動いてくれマジンガー!」
ヘルメットが割れ、額から流血して全身傷だらけの甲児が操縦桿を力いっぱい引く。
しかし・・・すでにZは息絶えていた。
「よし、とどめだ」
積年の恨みを晴らすかのような酷薄な笑みを浮かべ、指令を発するゴーゴン。
ゆっくりとZに迫る機械獣たち。
「くそっ、これまでか・・・」
覚悟を決めた甲児の視界の端を横切って、高速で近づいてくる1体の空飛ぶロボット。
「いい気になるのもそこまでよっ!」
戦場に響く聞きなれた声。
「さ・・・さやかさん!」
さやかが見慣れない真紅のロボットに乗って戦場に舞い降りたのだ。
「甲児くん、後は任せて」
倒れたZを抱え上げ、崖にもたれかけさせる真紅のロボット。
「さやかさん・・・そのロボットは一体・・・」
真紅のロボットは、明らかにさやかそっくりにデザインされていた。
「ビューナスA。わたしの新しい分身よ」
そんな二人に戦闘獣たちが迫る。
「細かい話はあとあと。ゆっくりビューナスの戦いぶりを見物していてちょうだい」
甲児にウィンクして戦闘態勢に入るさやか。


「ふん、おかしな奴が出てきたぞ」
ビューナスを値踏みするように眺めるゴーゴン。
「所詮小娘のロボットだ。大したことはあるまい。行け、グラトニオス」
銛のような腕を伸ばしてビューナスに襲い掛かるグラトニオス。
「いきなりレディーに触るつもり?失礼ね。光子力ビーム!」
ビューナスの両目から発射された光線が両腕を吹き飛ばす。
「フィンガーミサイル!」
指先から発射された小型ミサイルのシャワーが腹部に降り注ぎ、大爆発。
「な・・・なんだと!?えーい、行けい、ビラニアス!」
長い舌を伸ばしてビューナスを捕らえようとするビラニアス。
「今度は舌?もーっ、いい加減にしなさい!」
胸のミサイルがピタリと照準を合わせる。
「光子力ミサイル!」
ビラニアスも大音響とともに吹き飛んでしまった。
「ええいっ、こんな小娘に戦闘獣が2体も・・・くそっ、覚えていろ!」
捨て台詞を残して立ち去るゴーゴン。


「甲児くん!」
パイルダーの中から傷ついた甲児を引っぱり出し、地面に寝かせるさやか。
「よかった…間に合って」
柔らかな笑顔を向ける。
「さやかさん…ありがとう…助かったぜ」
感謝の言葉を口にする甲児。
「こんなロボットが密かに開発されてたなんて、知らなかったぜ」
「わたしもよ。お父様からいきなり見せられてびっくりしたわ」
今は亡き甲児の祖父・兜十蔵博士が残した設計図をもとに、弓教授と3博士が密かに開発を進めてきたロボット。
それがビューナスA。
ただ、テストを一切してこなかったので、出撃させるべきかどうか最後まで決めかねていたと出撃前にさやかに打ち明けていた。
「しかし強いぜ…ビューナスAは」
「あら。強いだけじゃないのよ。どう?わたしそっくりでしょ?」
3博士がどうせ造るなら、その姿も美しく…ということで、密かにさやかを模したデザインにしたそうだ。
「ああ…きれいだぜ」
「まあ…」
思いがけない言葉に頬を染めて照れるさやか。
「でも…もうマジンガーZの出る幕はなさそうだぜ…」
傷だらけの相棒に目をやり、悲しげな表情を浮かべる甲児。
「甲児くんにももちろん新しいロボットが用意されてるそうよ」
「新しい…ロボット?」
「そう。ちらっと見ただけだけど、すごく強そうだったわ」
「名前は?」
「マジンカイザー、ですって」
「マジンカイザー…」
まだ見ぬ新しい分身を思い浮かべる甲児。
「さあ、帰りましょ。頑張ってくれたZと一緒に」
「ああ、そうだな」


一つの戦いが幕を閉じ、新たな戦いの火ぶたが切られた。
頑張れ、マジンカイザー!
負けるな、ビューナスA!


【終わり】


S/Kさんのリクエストで、マジンガーZをビューナスAが助けに来る話を書いてみました。以前こんな SSも書いたので、比べてみてくださいね~

ステキなイラストは鏡子☆さんからいただきました。偶然にもお話にピッタリだったのでビックリです。ありがとうございました~


超合金魂 マジンガーZ 【初回限定版】 バンダイ(発売中)【楽ギフ_包装】


ANIMEX 1300 Song Collection No.5::ぼくらのマジンガーZ


MAX合金 マジンカイザー (再販) マックスファクトリー(予約:10年1月発売予定)【楽ギフ_包装】