昔の手帳が出てきました。
それはもう、20代のころの手帳で、新宿の住友ビルに務めていた時のものでした。
走り書きで
「揺れると崩れる、揺るがなければ形になる」
と書いてありました。
10年前の自分からのメッセージ?
何ともタイムリーな感じがしました。
うちの母は日本舞踊の先生でしたが、紡績会社に勤めていたときに舞踊を志したそうです。
仕事が終わって、みんなが寮でお菓子を食べているのをうらやましいと思いながらも、練習に通ったそうです。
「未来への時間の投資に、迷いはなかった。」と言います。
お金がなかったので、電車で3駅を歩いて、けいこ場まで通ったそうです。
「何が何でも名取になる。」
ものすごい短期間で、母は名取になりました。
そして、お弟子さんにも
「私に付いて来てくれたら、3年で名取にしてあげる。」というのが口癖でした。
本当に3年で名取になっていったお弟子さんが沢山いらっしゃいます。
そこには何があったのかな・・・とふと思いました。
「揺るがない思い」というのは、必ず形になるのだと思います。
今、名のあるどんな人も、最初からそれらしかったかと言えば、クエスチョンマークかもしれません。
でも「そうなるんだ。」という「揺るがない思い」が、その人にそれ相応の力をつけさせ、急成長させていくのですね。
格好ではない、一時の目先の状況ではない。
胸中に、未来の自分への確信があれば、もう叶ったと同じ事!
それ自体がもう勝利なのでしょう!
「揺れると崩れる、揺るがなければ形になる」
西新宿の、高層ビル街へ向かいながらしたためたのであろうこの走り書き。
OL時代の東京での一人暮らし。
夕方からはバンドの練習。
不安に押しつぶされながらも夢を追い、必死で形にしようとしていたあの頃の私に励まされるとは思いませんでした。
改めて、
「ありがとう、あなたがいるから今の私がいる。」
そして、
「形は違うけど、叶おうとしているよ!その夢!」
と、10年前の自分に伝えてあげたい。