F隊員に田植えのようすを見学させてもらいました。
(5月24日 中切)
(6月5日 数河)
以前聞いたF隊員のことばです。
「馬瀬から田んぼなくなったら、きれいな里山もなくなってしまうやろ。だから、かわりを引き受けとるんや。」
重いことばですね。
5月24日(中切)と6月5日(数河)、F隊員の田植えの作業の様子を見学させてもらいました。K隊員もお手伝いとして、一緒に汗を流していました。
F隊員は、さまざまな事情で米づくりができなくなった農家に代わって「田植え」を請け負っています。
さらに、田植えの前の「田おこし」、そして最後の「稲刈り」も、依頼者の要請に応じて行っています。最初から最後まで請け負う場合も多々あるようです。
馬瀬ひかり…ものすごくおいしいです。(ホントです!)
もし、F隊員のような農業機械を操作できる人がいなくなってしまったら、馬瀬の里山の象徴でもある「田園風景」はどうなってしまうのでしょうか?
年々、高齢化や後継者不足などから、馬瀬の田んぼは減ってきており「草っぱら」になった土地が目立つようになってきました。
F隊員は、K隊員とともに中切に限らず、数河、堀之内、惣島、西村等他の集落の水田も整備し、耕作放棄地を1つでもなくそうと努力されています。
5月24日中切での田植えの様子です。
まずは動画で田植えの様子をご覧ください。
⬇️ 🎥動画スタート
5月中旬から6月上旬まで、ほぼ毎日、田植えを 全部で10町以上請け負って行っているそうです。
(ちなみに、1町とは9917平方メートル、3000坪、1ヘクタールです。)
3人のチームワークで「素早くかつ正確」に田植えが進んでいきます。
細心の注意を払っての操作です。
田植え、思ったよりはるかに難しいです!
6月5日 数河での田植えの様子です。
田植え機「こまきちゃん」大活躍です。
ちなみに「こまちちゃん」じゃないですからね!
「こまきちゃん」をのせて移動するキャリアカー。
よく考えたら、これだけでも大変ですね。
その他に「苗床」を運ぶ軽トラも必要です。
数河での作業の様子です。
⬇️ 🎥動画スタート!
端の畦道きりぎりに、ぴったりと苗の幅をそろえて植えられていますね。すごい技です。
ところが、動画の最後に突如、「こまきちゃん」が止まり、F隊員が立ち上がりますね。
どうしたのでしょう?
次のうちからお選びください。
① 同時にまいている肥料がなくなった
② 車輪が石にあたり止まった
③ 苗を曲がって植えてないかの確認をした
④ 急にお腹が痛くなり、トイレに行きたくなった
🌾 🌾 🌾 🌾 🌾 🌾 🌾 🌾 🌾
そうですね。正解は①です。
有機肥料を入れています。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240622/21/maze-saikou/b3/5a/j/o1080081015454717284.jpg?caw=800)
奮闘するK隊員。20kgあります。
したがって、肥料を運ぶ軽トラがさらにもう一台必要になります。
苗を植えると同時に、有機肥料や安全な害虫防止剤もいっぺんにまくそうです。
一度に三役こなすんですね。
また、となりで畦道を並走している人は、苗が曲がっていないかチェックして、笛を吹くそうです。
曲がって植えたりすると、大変ですものね。
一発勝負です!
そして、今日の一つ目の田んぼが終わりました。
最後の様子です。
🔽 🎥動画スタート
午前ちょうど10時。一つ目の田んぼが終わりました。
「やれやれ…」ほっと一息。気持ち、見ていてすごーくわかります。責任ありますものね。
その後、農協に足りない苗を取りにいって、このすぐ横の田んぼの田植えも行いました。
馬瀬ひかりのおいしさのひみつ
素朴な疑問として、どうして「馬瀬ひかり」はおいしいんでしょうね?
(馬瀬ひかりのパンフレットより)
「馬瀬ひかり」生産組合は、おいしいお米をつくって馬瀬を元気にしようと、F隊員ら有志が集まり結成されました。有機肥料を使い、極力化学肥料や農薬を減らした米づくりを心がけています。環境に配慮して栽培した「コシヒカリ」を「馬瀬ひかり」と名づけ、5年がかりで名称が認定されました。今も、味の向上や栽培方法の普及に日々取り組んでいます。
「馬瀬ひかり生産組合」は努力を積み重ねた結果、米・食味鑑定士協会の食味コンクールでは、2019,2020年と2年連続、最高賞である「金賞」を受賞しました。その時、F隊員は、組合長として尽力しました。
上の「馬瀬ひかり」のパンフレットには、「馬瀬ひかりのおいしいひみつ(理由)」が記されています。
私なりに、まとめさせてもらうと、
① 山間地の昼夜の寒暖差が大きい。
②清流馬瀬川上流の水が、ツヤのある風味豊かな米を育んでいる。
③化学肥料を極力減らし、有機肥料で栽培している。
④地域ぐるみで、家庭等の下水が馬瀬川上流に流出しない取り組みをしている。
⑤渓流魚付き保全林の指定などの森林整備により、水質を保全している。
⑥生産者が、おいしい米を作ろうと長年、熱意をもって取り組んできている。
となるでしょうか。
何か、日本一のアユとも共通点がありますね。
(6月22日 馬瀬川)
馬瀬の里山(=人と自然)が、「馬瀬ひかり」という唯一無二の美味しいお米を作り出したといってよいでしょうか。
馬瀬ひかりを子どもたちにも…
F隊員は、下呂市のこどもたちに、おいしい馬瀬ひかりを食べてもらおうと、市内の給食センターにも届けています。時には、無償で届けることもあります。
(給食センターこんだて表より)
知り合いの教員に聞いたところ、M小学校のこどもの評判は、上々で「ひかっていて、おいしい!」だそうです。
馬瀬のお米が、未来にわたっていつまでも食べられて、さらにまだ味わってない人にも広がっていくといいですね。
ちなみに馬瀬ひかりは、下の「ふれあいファーム」で販売されています。
ふれあいファーム
下呂市中切(清流ふれあい会館横)
090-4851-6440
F隊員、K隊員、本当にお疲れ様でした。
other photos
(6月24日 中切)
(6月24日 丸山公園より)