蚕はよく眠る | 繭家の人生こぼれ繭

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人にも自然素材にも優劣なんかない。『こぼれ繭』と呼ばれていたものに目をかけて、愛情を持って「カタチ」のある製品にする。そこから生まれる「やさしさ」から「人やモノ」を思いやる心が生まれるのだと思います。

お蚕さんが眠っています…。
只今飼育中の初秋蚕(しょしゅうさん)です。
養蚕ではちょっと季節を先取りした呼び名でこう呼んでいます。(ほんとは真夏蚕って代えた方が正解かもしれません)でも、この暑いときだからこそ…この呼び名がいいですね..ほんと情緒があります。

養蚕ではお蚕さんが眠ることを眠(みん)といいます。先月のブログで「蚕は4回脱皮する」で書きましたが、繭をつくるまでに蚕はよく食べてよく眠ります、人間の世界でも「寝る子はよく育つ」といいますからね。

写真は3回目のお休みしているところです。ディズニーの白雪姫も眠れる森の美女のオーロラ姫もそうですが眠るというのは人間界ではロマンティックのようですが…。でも昆虫たちにとって眠るというのはどんなメカニズムなんでしょうね?人間のように疲れたから寝るという単純なこととは違うのでしょうか…

写真のお蚕さんは昨日あたりきっと目が覚めているはずです…今頃は桑の葉っぱをいっぱい食べているんでしょうね。あと5日後くらいに最後の眠りにつきます。この最後の目覚めの後が養蚕農家は大忙しになります!!大桑(おおぐわ)といってお蚕さんの食欲がどんどん増してきて、どんどん大きくなります。(蚕は生まれた赤ちゃんから熟蚕(じゅくさん)になるまで体長が一万倍になるんです。今月の13~15日頃には大きな繭をつくり出します。


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江戸時代は蚕という漢字は、こんな字でした…