顔の腫れは引いてきた。
私はまったく気にしていない。
肩やひざが無事でよかったとさえ思っている。
関節をやってしまうと完治まで長引くからだ。
鏡を見なければ、普段は傷のことさえ忘れている。
ほんとうは傷が治るまでは一歩も外に出たくない。
でも生活するためにはそんなこともいってられない。
今日は車の点検にカーディーラーショップまで行かねばならなかった。
目のまわりにできたマンガのような黒い輪っかをコンシーラーで隠した。
舞台化粧なみの厚塗り を施し、キズが少しでも隠れるように眼鏡をかけた。
子どもたちから「化粧なしメガネの外出は禁止」といわれてるほどブサイクなメガネ顔。
娘に言わせるとその顔は「知的にすらなってない」そうだ。
だがメガネがないとキズがモロ見え。
しょうがない。
キズを隠すように、お気に入りのニット帽で髪をおさえつけ出発した。
明らかに見てる
被害妄想ではない。ショップのひと、明らかに見てる。
いっそ聞いてくれ。
「お顔の傷はどうされたんですか。」と。
手に包帯を巻いていたら、とっさに聞くだろう。
「わー!手、どうしたんですか?」と。
あちゃー・・・みたいな目で見るなよ。
DVだと思ってるんじゃないのか。
聞いてくれれば答えるよ。
「いやー、実はキックボクシングの試合がありましてね。
まともに食らっちゃいましたよ。はっはっは。」
っていったらどないなるやろう・・・。
とまた空想の世界に旅立った。
カーディーラーショップで車を預け、家まで歩いた。
すれ違う人もまた、私の顔を好奇の目で見ている気がする。
(ニット帽とメガネはあかんな。
コンタクトレンズを入れてキャップとグラサンにしないとな。マスクもして。)
キャップとグラサンに合うスポーティーな服装して・・・。
・・・・・・・イメージ完成。
トータルして本格的にオッサンやな・・・・。
大柄で髪の毛が短いマユピ。
仏像系和顔を隠すともうオッサンかオバハンか判別不可能。
今日、似顔絵教室があるのにな。
んー、なんでころんでしもたんやろ。とほほ。
あーでもない、こーでもない、と考えているうちに家に着いた。
