捨てられる命、救われる命
動物が大好きな次女がカナダに来てから毎日のように望んでいたのは犬を飼うこと。
でもここバンクーバーでは、犬を飼える賃貸物件はとても希少です。
もちろん入居した先も犬猫はダメでしたが、小動物なら大丈夫かなと、7歳の娘が自分で知恵を絞り、
☆毎日ケージの掃除をします。
☆窓際にケージを置いて毎日換気して家に匂いがしないようにします。
と提案して大家さんに交渉。 しかし、無碍にも即却下。
まあ、お香もアロマも焚くなというちょっと変わった大家さんだったし、子供が居ない夫婦だったので子供の気持ちが分からないのだろうと思いましたが、娘の落胆ぶりは激しいものでした。
さて最近入居した新居は動物を飼うことがOKの賃貸物件。(ラッキーでした!)
モルモットかハムスターのどちらかをまずは飼育してみようねと話し合っていたところ、大家さんから2匹モルモットが保護されているらしいですから保健所に行ってみたらいかがですか?とのご提案をいただきました。
ホームページで写真を確認したところなかなか可愛かったので、見に行ってみたところ、なんとモルモットたちはすでに貰われてしまった後。
結局、その保健所に居たのは猫とうさぎが一匹ずつ。
東京にいたころに保護された動物の里親を探している団体のところに犬を見に行った経験があった娘達は、保護されている動物の余りの少なさに唖然としたようです。なぜなら、その時にいた動物の数は全部で60匹以上いて3階建ての建物に、各フロアーごとに犬、猫、小動物と別れていて選び放題でしたから…。
さてここバンクーバーでは動物の生態販売が禁止されています。 ですからペットショップに行ってもペットはいなくて、餌やケージなどの備品しか置いていない非常につまらないお店です。
犬が欲しい人は保健所に行って貰うか、直接ブリーダーから買うそうです。
新しく引っ越したバーナビー市では生態販売が許可されていますが、大手のペットショップに売っているのはモルモットやハムスター、金魚に爬虫類と鳥といった小動物のみで、犬も猫も居ません。
しかし、中国人の経営しているペットショップに行けば犬猫が販売されています。これはやはり文化の違いでしょうか?
さて、気になる屠殺率。
日本は全国で数百匹に及ぶ犬猫が毎日のように処分されていますが、バンクーバーの保健所では屠殺処分は一切せずに最後まで面倒を見るとのことでした。(保健所でボランティアをしていた知人からの情報)
救助された犬猫の数が違い過ぎるので面倒を見る負担が全く違うのはもちろんですが、保健所に連れてこられた動物を喜んで引き取りたいと希望する人が多いのも事実です。
先日、遊園地のフェアーでドッグショーを観覧しました。
走るスピードを競ったり、芸をさせたりして、大人も子供も大興奮のショーでした。
しかし、私が一番心打たれたのは、ショーの最後に流れたアナウンスでした。
それは「ここに出演した犬の半分は保護された犬達です。」でした。
一時は飼い主から捨てられた命が、今ではトレーナーに可愛がって貰い、観客席から喝采を浴びる日々。
本当に幸せを摑んで良かったなと胸が熱くなりました。
その一方で、売れるならどんどん子犬や子猫を生ませて、年老いて手がかかる、売れ残ったと毎日の様に保健所に連れて殺される運命にいる動物が沢山いる国。
その国の民度は動物の扱い方で分かると言われていますが、かつては虫の命さえ殺さなかった日本人も本当に酷く変わってしまったものです。
もう一度、命を大切にする文化に戻って欲しいとこのショーを観てさらに思うようになりました。