以前、「お気に入りの『怪談朗読』をご紹介」で、僕が好きでよく聞いている「YouTube」の怪談朗読をいくつかご紹介しましたが、それから、またいくつかお気に入りができたので、ご紹介したいと思います。

 

 怖い話 怪談 朗読(136)さんは、とにかく朗読している話数が多く、内容も多岐にわたっています。そして、数時間に及ぶ長編も結構あります。中でも、ウニさんの「師匠シリーズ」は、発表されているものはすべて朗読しているのではないかと思わせられるほどです。「心霊写真」「未」「巨人の研究」「風の行方」「空を歩く男」などは秀逸です。また、「賭け」は死生観や哲学的テーマを垣間見させる傑作だと思います。あと、「逆吸血鬼と存在しない町」は、SF短編の趣で、アレックス・プロヤス監督映画『ダークシティ』を想起させる秀作だと思います。

 

 ごまだんごさんは、話のセレクトのバランスがいいと思います。いわゆる怪談だけでなく、異世界に行ってしまったり、時間の亀裂に呑み込まれたり、どこかいつもの日常とずれた体験をするといった「不思議な話」の朗読もされていて、とても興味深いです。そして、声がとても心地いいトーンだと感じます。

 

 さて、前回ご紹介したmattari kwaidan(一家)さんですが、URLが変わり、まったり怪談ちゃんねるで引き続き怪談朗読をされています。機械朗読もありますが、ご自身でも朗読されています。

 

 怪談朗読コンテンツを発信されている方々が集い、更新情報等をアップしているサイト「怪奇ネットワーク 猫獄山」というのがあります。怪談好きにとっては嬉しい情報源です。

 稲川淳二さんによれば、夏の風物詩だと思われがちな怪談は、実は冬が適した季節なんだそうです。寒くなり、雪が降ったりして、農作業ができず、物売りもできないような日、外に出れず、家の中で子どもたちに大人が怪談を語って聞かせる。そんな農村の慣習があった、と。「雪女」を思い出してしまいますね。

 夏は夏で、冬は冬で、季節に合った怪談の楽しみ方をしたいですね。