空洞化した共同体は、外部に「仮想敵」を作り出すことで、かろうじて一体感を醸成し、同じ「ノリ」を共有することができる。「劣化左翼=パヨク」の醜悪な実態を暴露するという千葉麗子『さよならパヨク』は、皮肉なことに「リベラル憎悪」「サヨク揶揄」といった「ネタ」を持ち出すことで、バラバラで空虚な自分たちを糾合しているように読める。一見「極右」に見えても、実のところイデオロギーなど何の関係もなく、「右翼ネタ」だろうが「左翼ネタ」だろうが、「つながり」をもたらすものなら何でもいいのだろう。左翼が劣化したのはその通りだろうが、では右翼はどうなのか。『さよならパヨク』という空虚な「ネタ帳」を参照しながらパヨク叩きにいそしむ彼らは、立派な人物たちに見えるか。
『さよならパヨク』に関係する自分のツイートを拾い出してみた。
Kurasawa Mayuki@mayuqix「人間の本性に幻滅したから人類を滅ぼす」という、霊界探偵から「悪の権化」へと極端から極端へ変容した『幽遊白書』の仙水を見た視線で、千葉麗子さんの『さよならパヨク』なる本を一瞥してみてください。人類の「悪行」を記録したビデオ「黒の章」を飛影が剣で突き刺した理由がわかる気がしませんか
2016年04月28日 02:49
Kurasawa Mayuki@mayuqix千葉麗子『さよならパヨク』がアマゾンから届いたので、パラパラめくってみたが、予想通りげんなりだ。「皇国再生のためのお願い」という付録に、占領軍から押し付けられた「お妾憲法」を廃棄してください、とあるが、まさか大日本帝国憲法でも復活させるつもりなのか。安倍自民党的なものと瓜二つだ。
2016年05月07日 11:14
Kurasawa Mayuki@mayuqix菅野完『日本会議の研究』読了。日本会議のイベントが「国歌斉唱」と「リベラル揶揄」で一体感を醸し出していること。長崎大学学園正常化運動において左翼に殴られた事件に端を発した、安東巖と椛島有三の「サヨク嫌い」。これらのエッセンスのひとつの発露として、千葉麗子『さよならパヨク』を読む。
2016年06月23日 03:58
Kurasawa Mayuki@mayuqix本文は読み終わって、最後の「付録」で中断していた、千葉麗子『さよならパヨク』読了。悪しき精神論の塊のようで、不快なことこの上ない。「親孝行が当然のようになされれば、介護ビジネスなんて成り立たない」つて、本気で言っているのか。深沢七郎『楢山節考』を知らないのか。
2016年09月08日 23:02
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