ある詩人が言いました
 「私たち人類は 自分たちを何度も滅ぼせるような
  おそろしい兵器をつくりました たくさんの核兵器です
  人類は いつでも自殺できるのです
  そして、そのあとには 何も残らない
  核兵器の戦いのあとでは
  すべてが詩に、なっていく
  すべてが詩に、なっていくのです」

 その言葉は ゆっくりと
 僕のからだを通り抜けていった
 さっぱりとした虚無の はっきりとした愚劣の
 凛とした覚悟の そんな気配を残して

 僕はつぶやいてみる
 すべてが詩に、なっていく
 すべてが詩に、なっていく
 すべてが詩に、なっていく
 すべてが詩に……


 ※この作品は、「詩のボクシング」福岡大会である方が朗読したものを、おぼろげな記憶をたよりに思い出し、自分なりの改変を加えたものです。よって、オリジナルとは異なる部分があります。



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