三連休の最終日,皆様如何お過ごしですか?
さて,息子とメトロポリタン美術館(以下MET)へ行った話題の続きになりますが,フィラデルフィア美術館とは異なり,METには常時展示されている刺繍品が殆どありません。
貴重な刺繍作品は別室にあり,昨年の大塚あや子先生の講演の際に先生の解説付きで見せて頂くことが出来ました。
今思っても,本当に素晴らしい機会を与えて下さって,感謝しても感謝仕切れないくらいです。
という訳で,まとまった常時展示品はないのですが,広い館内をゆっくり隅々まで見てみると,ちょこちょこあるんです。
最近,そういった「地味な?刺繍展示品」を探す,というのが宝探しのようで,私のちょっとした楽しみになっています^^
さて,上の写真はボヘミアングラスに被せてある,ビーズ刺繍というより,ビーズ織りのカバーです。
葡萄の柄が可愛いですよね!
刺繍の図案に出来そうな感じです。 今度図案化してみようかな?
こちらはビーズ刺繍のたばこケース。
こちらは19世紀に作られた,ビーズ刺繍のタペストリーです。
西アフリカの伝統的なデザインをアレンジして作られたものだそうですが,ここまで見てもビーズ作品が多いですね~
普通の刺繍に比べると,ビーズ(特にガラス製のビーズ)は劣化が少ないのかな?
とはいっても,直射日光がよく当たる場所に置いておくと確実に色褪せするので,皆さんも飾る場所&保管場所にご注意を。
次。
19世紀後半に作られた,ベルギー製ニードルレースのハンカチーフです。
かなり変色してしまっていますが・・・
これ,もう少し細部を見たかったのですが,かなり奥行きの深いショーケース内に展示されていたので,全然見えないっ!!!
次。
20世紀初期に作られたCurtin Panel の切れ端 です。
シルク地にペイントをして(グレーとブルーの部分かな?),シルクの糸で刺繍されています。
見た瞬間 「アールヌーボー調?」 と思ったのですが,これをデザインしたのはパリの有名な建築家 HECTOR GUIMARD という方で,アールヌーボースタイルの代表者であり,パリの地下鉄の入り口と駅舎の建築デザインで知られているそうです。
後にNYに亡命されたとかで,だからここに展示されてるのか・・・
刺繍と全然関係ありませんが,素晴らしいポーセリンですね~
レース状にカットされている部分,どうやってやったんだろう?
それと,ゴールドをペイントするのって,すっごく難しいんですよね・・・
あまりの超絶技巧に,思わず平伏しそうになる私(笑)
この日は連休で気が大きくなっていたせいか,METの中ではお高いレストランに行ってしまった!
久しぶりに優雅な気分で食事出来ましたが,息子は最近一人分軽々食べるので,お財布が痛い^^;
ちなみに私がオーダーしたオムレツの中に細いパスタが入っているもの(手前)より,息子がオーダーしたクリームソースのパスタの方が美味しかったです。
こんな感じで,最近時間を見つけては美術館に通うようにしています。
元々美術品を見るのは好きだったのですが,子供が小さい時は館内で騒いだらどうしよう・・・とか,ゆっくり鑑賞する心のゆとりもありませんでした。
でも子供も大きくなり,今ようやくじっくり見に行けるようになりました。 嬉しいです^^
刺繍作品を制作するにあたって,技術を磨くことはもちろん大切なのですが,素晴らしい美術品を見て感性を磨くことはそれと同じくらい大切なんだなぁ・・・と最近実感しています。
長い目で見れば,物を買ったりするよりも,本当の財産に。
だからこの夏休み中に出来るだけ足繁く通いたい,と考えています。
そういえばあや子先生のワークショップの際に,
「METは初めてじゃないよね?」 ← おそるおそる確認する私。
「初めてです」 ← と,数名の生徒さん。
「NYに住んでるのに? マジで!? 勿体ない!!!」
METを見るためだけにNYに観光に来る方も沢山いる訳で・・・,好き好きはあるので無理にとは言いませんが,頼みますよぉ・・・^^;
本帰国の前に1回は訪れるように(笑)
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