ところで前回の写真 で私が首にかけているものは
全てピンパッジです。
オリンピック村の人間は、所属団体別に全員これを持っていて
装着場所はアクレディのリボンの上。
使い方は、他国のブロードキャスターと
「ワタクシこういう者で」「や、これは！」と名刺交換がわりにするもよし、
お世話になるスタッフに「どうかこれでひとつ」と
心づけとして渡しておくもよし、
コレクター魂に火をつけてひたすら集めるもよし。
ユーロを軽く凌ぐオリンピック村の通貨です。
大会中の人が、アテネ入りしてからの自分の交友関係と行動パターンを
首にぶら下げて歩いているという点で
公開プロフィールに等しいですが、
同時に細かく場所や個人が限定されるこれらのピンは
とてもパーソナルなコレクションでもある。
人と人との間に立つことの多い通訳は何かとピン交換の機会も多く、
特に私は開会式までの数日間に「各国の放送局を回って
選手名の読みを確認＆日本語表記を統一」というミッションのために
保険のおばさんもかくやという勢いで
あらゆるブロードキャスターを訪ねて回ったので、最初の一週間で
ホビーマガジンから取材が来そうなくらい集まった。
他の通訳仲間とも、放送センターで顔を合わせるたびに
マリオか！？アイテムを集めて２面に行こうとしてるのか！？（古
というスピードでにょきにょきと増えていくコレクションを競っていました。
下記に私のピン紹介！
各国ブロードキャスターピン。 レア度：★
↑聖火の形がかわいいドイツＺＤＦテレビのピン。
その他ニュージーランドＴＶ、ＮＢＣ、「G'day Mate」のフレーズ入りの
オーストラリアテレビ、南アフリカテレビ、Eurosport、イタリアテレビなど。
実はＢＢＣのオフィスには、変に構えてしまって
最終日まで行けませんでした。
だって出かけた先で家族に会うのとかって恥ずかしいじゃないですかー！（←？）
結局、閉会式間際にモジモジとアプローチしてあっさりゲット。
↑その割には全然かわいくなくてちょっと不満。（もらっておいて！）
過去の開催国・未来の候補地のピン。 レア度：★★アトランタ「Dare to Dream」ピンが２種類、シドニーが１つ、北京がひとつ。
そして「Ville Candidate」（候補地）と書かれたパリのピン。
これは放送センターのエレベーターの中で
フランスＴＶの人にフランス語で話しかけられ、なんとかフランス語で返したら
お主なかなかやるな！とご褒美でもらえたという
「Oui Ca va bien merci」ピンです。セ・マニフィーク。
大会会場限定ピン。 レア度：★★★★
まゆみはバレーボール・ビーチバレー担当だったので、
放送センターのあるアテネからバスで１時間ほどの場所にある
バレーボール会場に毎日行っていました。
そこで音声担当のＡＯＢのおじさんにもらったピン。
バレーボールに関わった人しか持っていない、バレーボール会場限定品。
特殊団体ピン。 レア度：★★★★
かなり早い段階で偶然手に入れて、あまりのレアさに
その後会う人全てに狙われ必死にガードした、
アテネ五輪・スポーツマッサージチームのピン↑。
バレーボール会場近くで、ディレクターさんと解説者さんと
ごはんを食べに入ったレストランで
セラピスト/トレーナーの人に声をかけられて交換。
大会スポンサーorメーカーーピン。 レア度：★ギリシャのアルファ銀行、チャンピオン、ＧＭなど。
ＧＭピンはかさばるし重いしで正直いらｎ（もらっておいて！）
選手団ピン。 レア度：★★★★★持ってるんです選手たちも。
選手団or監督と接触した場合のみゲットできるという、ピンヒエラルキの頂点。
私は韓国とルーマニアを入手！
周りには「なんでわざわざルーマニアー？」と不評でしたが
体操ファンにとってルーマニアはメッカなの！
オリンピック村施設のピン。 レア度：★★★★
↑医療施設ピン。 ゲットした経緯が思い出せない・・・薬でももらいにいったか・・・？
↑メディア村ピン。他に放送センターピンも。
たいていの人は、オリンピック村内の各施設にも
それぞれピンがあるということを意外に知らないので
灯台もと暗し的にレアです。
特に、色んな人にそんなのあるの！？と驚かれたメディア村ピンは、
実はアテネ入りした当日にロナルド（仮）にもらった
記念すべき第一号。まだピンデビューしていない私に、
「最初のピンあげたのは僕だからね！」と自己アピールしたうえで
手持ちのピンを交換してコレクションを増やす
わらしべシステムを説明してくれたのは彼でした。
次の日さっそくディレクターさんに詰め寄ってお願いして
「うちもピンとかあるんですか！？
さっさと出せー！出せー！出せー！
私が持ってた方が何かと便利ですよne！」
と脅迫説得し、一握りわしづかみ頂いて
無事にピンレースに参戦開始。
日本ブロードキャスターピン。 レア度：★★★★★日本の放送局のピンは、形が着物だったり
富士山だったり
ドラ●もんだったりしたので
もう大人気。
持っていると大抵のお願いは聞いてもらえた。
でもそれにも増して
ピカチュウ最っっっっ強。
オリンピック村でこれをチラつかせて
叶わないことは一切なかった。いや本当に。
世界中のいい大人がこれ欲しさに
行列して連いてくるってどんだけ！！！！
マニアの間では結構なお値段で取り引きされたみたいですネ。
オリンピック中ずっと「ピカチュは神。ピカチュは神。」と刷り込まれたせいで、
今でも彼を見かけると条件反射で心拍数が上がる（笑）。
そうやってピンを蓄積したアクレディはそれは重くて、金属探知機を通るたびに
首からじゃらんと外さなければならないのですが、
私にはこれが国際交流のインジケーターに思えて誇らしかった。
リボンの後ろまでピンが増えて
金属アレルギーで首が腫れても外しませんでした。
でも日本人スタッフの方に「（通訳は）遊びで来てるからそんなにピン集まるんじゃないのー？」
とあるとき言われて、いやむしろ仕事の量と比例してるから、そもそも足で稼いでる人から
順に増えてくシステムだから、事件は現場で起きてるから、っていうか
羨ましいなら言えばひとつくらいあげるのに！！
と思いました。でもピカチュウはダメだyo。
最後にシスタ（水泳・体操・サッカー配属）のコレクションからもひとつ。
↑このカンガルーは、体操会場で日本の男子団体が
金メダルを取ったときに、お隣のオーストラリアテレビの人が
一緒に喜んでくれて、お祝いだこのやろう！とくれたものらしいです。
ザッツ・オリンピック精神！
