稲城市若葉台2丁目おとなと子どものピアノ教室
若葉台ピアノサロンです。
ご覧いただき、ありがとうございます。
発表会まで2か月、色々なことがある時期です。
先日、私用でお休みしました。
その間に、発表会の曲を1曲増やしたお子さん。
前々から、「もう1曲、決めてね。」と私に言われていたものの、慎重派なのか、今やっている曲が弾けてから……という立ち位置でした。
慎重に選んだのは、「春休みに連れて行ってもらったディズニーランドが楽しかったから。」という理由で、ディズニーの曲です。
実は、短いレッスン時間で選曲の相談していると、どんどんレッスン時間が押してしまうので、「好きな曲で良いから、コピーしてノートに貼ってきてくださいね。」とお願いしてありました。
私はてっきり、渡してある本の中から選ぶと思っていたのですが、「好きな曲」と言われた彼女は、“好きな曲が載っている本”を買ってもらったようです。
本を選ぶにあたって、お母様はハ長調を買おうとしたそう。
しかし、ご本人が「これはディズニーランドで聴いたのとは音が違う。」と言って、別の楽譜を選んだのだとか。
今まで、「この子は、音感やリズム感はまだ使えるレベルではないな。」と思いながら、ソルフェージュを丁寧に指導してきました。
曲を聴いたら音やリズムが解って、耳コピとは言わないまでも、ある程度は予測して弾けるようになると、譜読みが格段に楽になりますね。
そこを目指してソルフェージュの指導をするわけですが、それには何年も掛かる人もいます。
彼女も特別器用という訳ではないので、ご家庭での練習は時間が掛かり、大変だったことと想像します。
しかし、持ち前の粘り強さでスケールとカデンツに取り組みました。
きっと、ご家庭では、取り組む気持ちが安定するように、お母様の励ましも多分にあったことでしょう。
挫けては気持ちを立て直し……という話も、お母様から時々お聞きしました。
取り組んでみれば、多少の苦労はあれど不可能なことはやっていないのですが、その過程で感情的になって「こんなのできない!ピアノなんてやめる!」となるか、のらりくらりとピアノの前に座ることから逃げるか、数回弾いて「練習してるのに弾けるようにならないんだ!自分は頑張ってる!」と訴える子が多いので、ご家庭での練習って、10歳になるまでは(親が)本当に苦労ですよね
いつの間にか使える音感を手に入れた彼女。
私がお休みを頂いていた2週間で、自力で最後までスラスラ弾けるようになっていました
アウフタクトなのに、「1,2,3,4!」と言って弾き始めたのは、あらら…でしたが、「ちょっと待って。これ、何だっけ?」とストップすると、「あ。アウフタクト!」と言って即座に直せるところも、楽典がしっかり身に付いています。
あとはリズム感ですね。
30年位前でしたか。
あるジャーナリストが絶対音感というタイトルの本を出し、ベストセラーになりました。
音楽関係者は上手くそれを利用しました。
でも、やはりそれは神話だと思います。
早く始めると良いこともありますが、決して何歳までにという期限なんてありませんし、旗上げする特別な訓練が必要な訳ではありませんし、まして生まれつきと言われる人に音楽の才能がある訳でもありません。
音感は、絶対音感も相対音感も、便利なツールに過ぎません。
努力して身に付けた音感は一生ものですが、弾くにしても聴くにしても、どうぞ良い形で、これからも音楽に親しんで頂きたいと思います。