稲城市若葉台2丁目おとなと子どものピアノ教室

若葉台ピアノサロンです。

ご覧いただき、ありがとうございます。

 

FAZIOLIを弾いた話なども書こうと思いながら、いつの間にか桜の季節になっていました。

前回の投稿は、共通テストでした。登場した子達は無事に春を迎え、もう連弾曲をブラームスに決めて、練習を始めています。

 

さて、4月1日サントリーホールにて、サー・アンドラーシュ・シフの「フーガの技法」を聴いて参りました。

2023年9月の来日の際、「フーガの技法」に言及しており、いよいよ弾くのか?!と楽しみにしていたこの日です。

 

↓記事はこちら。

 

「フーガの技法」はバッハの未完の作品です。

この曲、コンサートで全曲聴こうと思うと、予備知識と覚悟?が必要かも知れません。

チケット購入時に『休憩無し』という注意書きもありました。

 

↓比較的分かり易い曲の解説

 

シフの「フーガの技法」の録音は無いため、何か情報は無いかと探していた時、なんとアムステルダムでのコンサートを聴いたという方のnoteを見つけました。

それによると、演奏前にシフは以下のように語ったということです。(引用します。)

 

「今日この私の大好きなアムステルダムのホールに皆さんお集まりいたありがとうございます。普段プログラムは先に公表することはないのですが、今回は特別で先にこのフーガの技法を弾くことを告知させて頂きました。この曲は子供には弾けないし子供のために書かれたものでもありません。バッハの曲はインベンションやイギリス・フランス組曲、パルティータや平均律など、どんどんと難しいものになっていく段階を考えるとこのフーガの技法はエベレストです。私にとっても挑戦です。
この曲は未完成で息子カールが最後を付け加えて完全させたものが一般に出回っていますが、私はこの未完成であることが完成であり最後を付け加えることもできるけどそれはバッハ本人の作品ではないからそのままにしておくのもいいじゃないか、と考えます。
最後のフーガは第14番です。
三つのフーガの一番最後にバッハ自身のBACH=B♭、A、C、H(B)をフーガのモチーフに使っており、アルファベット順に数字を当てはめるとB=2、A=1、C=3、H=8なので2+1+3+8=14というカラクリになっています。
このまさにBACHのフーガの途中で曲が未完となっています。本当は未完ではなく意図したものなのでは?
私はバッハの書いたものの通りに弾きます。
ちなみに曲は弦楽や管などアンサンブルなどでよく演奏されますが、確実に鍵盤楽器のためにと書かれています。よってチェンバロ、オルガン、ハープシコード、もしくはモダンピアノのために?(笑)書かれたものです。」

 

エベレスト登頂にも匹敵するシフの挑戦を見守るべく、この日に向けて喘息の薬で体調を整え、休憩無しに耐えられるように準備して、サントリーホールに参りました。

ホールに入ると張り紙がありました。

 

 

「フーガの技法」に限らずシフのコンサートでは静寂が大事ですが、特に今夜の成功は2,000人が静寂を守れるかに掛かっている…と感じました。

 

演奏が始まると、曲の合間に咳をする人が散見されました。

曲は有機的に繋がっていますが、次の曲に繋がる絶妙の間と最初の音に対するシフの集中が誰かの咳によって妨げられ、とても勿体ないなぁ…と思いました。

しかし、曲が進むにつれ、誰も咳をしなくなりました。

シフの演奏が空気を変えたのです。

 

呼吸さえ忘れそうな会場の空気の中、唐突に静寂が訪れました。

どこで曲が止まるのか知っていたにもかかわらず、この唐突感に自分でも驚きました。

満席のサントリーホールが静寂に包まれ……

2,000人がそれぞれに感じ入ったことでしょう。

歴史に残る素晴らしいコンサートでした。

 

アンコールは半音階的幻想曲とフーガが続きました。

アンコールとはいえ、これは予定されたプログラムでしょう。

繋がりがあります。

 

 

イタリアン・コンチェルトは、楽章で拍手が入らなければ、続けて弾いたかなぁ…と思いました。

アンドレア・バルカのアンコールでも、ちょっと思いましたが。

静寂を守れたらご褒美くれそう…。

 

記事をまとめるのが遅くなってしまい時間が経ちましたが、思い出し感激できるコンサートでした。

そして、私自身はフーガの技法やシフの意図が理解できる程度の音楽教育を受けられて良かったと思いますし、ご興味がある生徒さんには是非、伝えていきたいと思いました。