ここあの森へのご訪問ありがとうございます☕


先週の休日に参加したイベント、会場内にトイレがないということで、それはもうビックリ仰天したという話をさせてください。


「森の中で遊びながら防災の知恵を身につける」みたいなコンセプトのイベントで、私はこういうアウトドア系のイベントは苦手なのですが、小学生の息子が行きたがったので、まあ子ども時代の自然体験は大切だからな…と、重い足を引きずりながら参加。


で、イベントが始まるやいなや、主催者からこんな衝撃の説明が!


「今日は、何もないところでいかに暮らせるか、に挑戦します。お昼に食べるカレーライスの材料だけは後から届きますが、それ以外はすべて手作りです。火をおこし薪をくべます。料理だけでなく、お皿もスプーンも自分たちで作ります。トイレもありません。トイレも自分たちで作ります」


えっと…トイレを作るって、どうやって??


オープニングの時点でもうすでに帰りたくなった私ですが、「トイレの作り方を説明するのでついてきてくださーい」というスタッフの女性の元気な声に引きずられるようにして、参加者たちと一緒に森の奥へ。

好奇心半分、来なきゃよかったという後悔半分で、木の枝を払いながら、人目につかない奥へ奥へ。


しばらく行ったところで、スタッフの女性は、持っていたシャベルを地面に突き刺しました。砂場と違い、ここは森の中。地面の下には木の根っこがからみあっていて、かなり堀にくそうですが、その女性はシャベルの上に足を乗せて、上手に土を掘り起こします。


「地面が掘れましたね。これでトイレ完成です。大も小も、こうやって掘った穴にまたがって用を足してください。シャベルの近くにボックスティッシュを置いておきますので、ティッシュでお尻を拭いてください。使用済みのティッシュは、焚き火で燃やすか、そのまま穴に入れるかしてください。終わったら、土を戻して穴を埋める。以上です。男性の小は木の根元に立ちションで大丈夫です。すべて植物や大地の栄養になりますから」


あまりにもシンプルすぎるトイレ作りに茫然としつつも、そういや動物たちはそうやって地面に排泄物を置きっぱなしにして生活しているわけだし、それは環境破壊でもなんでもなく、森全体にとっては栄養になっているわけで、自然界では当たり前の循環なんだよなあ…と妙に腑に落ちる部分もあり。


ちなみに、「大人の参加者で、どうしても手作りトイレでは無理という人は、5分ほど歩いた先の乗馬センターにトイレが一つだけあるのでそこを利用してもよい」とのことでした。


それから数時間後、用を足したくなった私は、どちらのトイレを利用するか迷ったあげく、思いきって森のトイレに挑戦することにしちゃいました!!


いや、そりゃ抵抗はあるけれども、こんな経験、そうそうできるものではないし。なにより、森に栄養を与えることができるという発想が気に入り。


いざ、シャベルとティッシュボックスをつかんで、森の奥へ奥へ。人目のつかない場所まで来たら、適当な場所にシャベルを突き刺し、悪戦苦闘しながら穴を掘りました。


いざトライしてみての感想ですが、なんだかいけないことをしているような妙な気分だった…とその一言に尽きます💧


昼食の時は、竹をノコギリで切ってその竹筒をまずお皿にし、余った竹筒をさらに細かく縦割りしてそれがスプーンになる、という具合でした。

もう食べにくいったら、ありゃしない。

言葉で説明するのが難しいったらありゃしない。

写真で見てもらったら一発で状況をお伝えすることができるのですが、残念ながら撮影する余裕なんてありませんでした💧


さて、半日がかりのイベントも終盤に近づいた頃、またトイレに行きたくなり。「大人の方で乗馬センターのトイレを利用したい方はついてきてくださーい」とまた元気な呼び声が聞こえてきたため、二回目は文明人に戻って、そちらのトイレツアーに混ぜてもらいました。


トイレに向かう道すがら、参加者のママさんに話しかけられて、

「森の中で手作りトイレで用を足すのはどうしても抵抗があって。かといって、乗馬センターの場所も分からずずっと我慢していたんです」

と言われたため、

「半日近くも我慢だなんて、それは辛かったですねー。私は一回目は森でトライしちゃいました」と打ち明けてみたところ、

「えー?!本当ですか?私だったら緊張して、出るものも出なくなりそう」

と驚かれました。


出るものも出なくなりそう。


うんうん、この表現好きだなあ。

森の中で用を足すって、そういうことなんだよね。あまりにもな非日常体験。だからこそ、こうして武勇伝として語りたくなる私です。


終わり頃に主催者の方がこんなことをおっしゃっていました。


「誰にでも生まれつきの個性があります。文明社会の中でそれを抑制しながら生きている子どももいるかもしれませんが、こうして自然の中でのびのびと過ごしていると、抑えていた個性が少しずつ表に現れてくるんです」と。


そっかあ。

いい話だ。


私も自分の個性を抑えて抑えて、何十年も生きてきた気がするけれど、自分の個性とは何か、なんて力まずとも、自然に個性が出てくる環境に身を置くって、なんだかとても大切なことのような気がする。


アウトドアは苦手な私だけれども、それも私の個性なのだけれども、好奇心に負けて森のトイレを選択したのも私の個性。

そして、そんな上品とは言えない話を長々と語り続けるのも私の個性。


森からの帰り道、すっかり日が暮れていましたが、心地よい疲労感とともに眺める夕暮れの景色はとても綺麗でした。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます。よかったらまたここあの森に遊びに来てください☕🌿