5月初旬に宮城の被災地を訪ねたことは、このブログにも書きました。被災地の状況は、TVや新聞などニュースでも繰り返し報道されています。でも、その地に実際にこの地に立つと、「これほどまでに・・・」と、言葉を失ってしまいました。ここが日本なのかと思うと、信じられない思いでした。見渡す限り、沿岸域は津波に流されていました。



まったく何から手をつけていいのかわからない。小学校の前にはがれきの山・・・。



これは、石巻の港で、ちょうど午前10時半頃の様子です。



震災で地盤沈下を起こし、70センチほど低くなってしまったと聞いていましたが、午後6時頃に改めてこの場所を訪ねると、岸壁を超えて海水が浸水していていました。あわてて車を移動させたので、その様子をカメラに収めることができませんでしたが、大潮の時期に住宅地への浸水被害がかなりの規模になってしまったことを後の報道で知りました。

現在は、対処療法的な対策しかできないかもしれませんが、これから津波や地震などの災害に強い町づくりをしていかなくてはなりません。避難所ではなく、1階が浸水しても2階で暮らしている住民もいます。このままその家で暮らしていけるのか。改築したくても、不確定要素が多く、決断できない状況ではないでしょうか。こうした町をどう再生させていくのか、日本で暮らす私たちは皆で考えていかなくてはなりません。

さて、三陸沿岸では、震災以降、大規模な磯焼けが起きることが懸念されています。毎日新聞によると、津波で押し流された大量のがれきや土砂が日光を遮り、海藻を枯らすのが原因とのこと。三陸の浜には「津波の後5年は、海からアワビやウニが消える」という言い伝えがあるそうで、専門家は「漁場の復旧に5~10年かかる」とみているそうです。

私が大学で所属する新環境エネルギー科学創成部門には、教養学部の山本光夫先生が、磯焼けの研究をされています。NPO法人・国際環境経済研究所のホームページに、「東北復興へ新しい水産業の構築を」を寄稿しましたので、よかったらご覧ください。

IEEI「東北復興へ新しい水産業の構築を」