やっと春が来たと思ったら、きょうは曇り空。
東京の桜の開花予想は21日ですが、
なんとなく実感がわきません。
桜のつぼみが開き始めるのが、これから楽しみです。

さて、昨晩放送されたNHKの
「環境で不況を吹き飛ばせるか~動き出したグリーンニューディール~」は
なかなか見ごたえがありました。

経済発展の障害になるとして環境問題には後ろ向きで
京都議定書から一方的に脱退したブッシュ大統領とは180度方向転換し
グリーンニューディール政策により雇用の創出、
不況脱出を打ち出しているオバマ大統領。
今後10年間で1500億ドルを投資し、
500万人のグリーン雇用を創出を打ち出しています。
国のトップがリードすることで、
こんなに世の中は変わるのかというほど、
アメリカでは予想を上回るスピードで環境ビジネスが展開しています。

カリフォルニア・ロサンゼルスでは、
太陽光パネルの設置が急ピッチで進み、
半年以上設置を待っている家庭がたくさんあるそうです。
その理由は補助金の額も多く、
初期費用が160万円程度の負担で済むということ。
(補助金が100万円で、トータル260万円かかるところ)
また太陽光発電による余剰電気を高く買い取る制度が整っているため
約6年で初期投資のもとがとれ、あとはプラスに転じるのです。
利益を生み出すということが、その背景にあります。

今の日本では、パネルの設置費用を回収するためには
20年でもとが取れると言われていますので、
アメリカでは設置する家庭にとっては、相当良い条件が整っていると言えます。
やはり電気の固定価格買い取り制度を整えると
太陽光発電など自然再生エネルギーの普及は一気に加速するのだと
思わされます。

テキサスの過疎化が進む農村ロースコーでは、
1万5000ヘクタールの土地に風力発電を誘致し、
年間2500万円の利益を生み出しているそうです。
町の失業率は0%、むしろ人が移り住んできている状況です。
風力発電において、たった2年間でこの町は
世界有数の風力発電の町に変貌したのです。
「風がお金の音に聞こえる」
という関係者のインタビューが印象的でした。

それにしてもなんてアメリカでは、実現が早いのでしょう。
不況脱出のカギは環境にあると大統領自らが発信することにより
世の中が大きく動いているのです。

環境と経済の両立については言われ続けている一大テーマです。
アメリカの新たな政策転換により、
環境ビジネスが21世紀の産業革命になるのでしょうか。
先端科学技術を有する日本も、ぼやぼやしていると
国際競争力を落としてしまうでしょう。
国のリーダーの舵取り、また企業の技術開発と世界への発信、
国民の理解が大きく問われそうです。