１日中寝て、重い身体のまま
無理やり起きて、
夜の９時に出発した。
「今日はちゃんと撮ってもらえるかな、、、」
「まさか、無くなったりせーへんやろうな、、」
と、不安でいっぱい。
けれど頭は疲労でよく考えれなくて、、、、
電車に飛び乗って良く見たら、
乗らないといけない電車じゃなくて、
途中で、違う方に曲がってしまう電車だった。
行き先も違うので、分かった。
次の駅で、ギリギリ乗り換えて
変な方向に進まずに済んだ
このせいで、急に頭が冴えた
駅から歩いて待機室に着いたら
まもなくマネージャーさんが来てくれた。
他の子達は、ほとんどメイクもヘアーも終わってた。
また、私達と夫婦役の人だけ
静かーな待機室に残されて放置された。
昨日主婦役に来てた２人も先にメイクと、ヘアーを
してもらって現場に行ってしまった
（お店の方）
待ってる間メチャ不安やった。
最悪の事態を考えた。
ちょっとだけお金くれて、
自分のシーンは無くなるとか。
また待機で終わるんかな、、、、、
最初やから見学できて良かったけどな～‼️
素人なんバレたんやろか
と、色んな最悪の事態を想像してたら
メークさんに呼ばれた
「昨日インスタ見ました。
本当にモデルやってなかったんですか？
若い時とか。できそう
昨日スタッフと見て盛り上がってました。
格好いいお母さんやって」
「写真は、息子が撮りました」
「若い時は、グラフィックデザイナーしてました」
って言ったら
「あー、だから
」
」と、ベテランメークさんに、言ってもらった。
さすがにベテランは、おべんちゃらが上手いな～‼️
と、心の中で感謝した。
この時は、ちゃんと撮り終わるまで
劣等感で潰されそうやったから。
どこに行っても、私は背が小さくて、太っている
「164cm.５２kgくらい」
いつも、いつも
「これじゃあかんわ～
」と、思ってたら
」と、思ってたらオーディション落ちての繰り返しだった。
最下位。韓国に来てからの自分のイメージだ。
ちょっと卑屈になってる
メイクも、ヘアーも前日より簡単だった。
ちょっと癖ついてたのかもしれない。
私の勘では、予定時間過ぎてたと思う。
前日、後ろの方で、言い訳程度の撮影した時
ワンシーンに１０回以上撮ってたのを知ってたから
また、ずっと待たされるんかな、、、
と、思ってたら他の２人の主婦が帰って来た。
どうやら、撮影を終えて帰って来たようだった。
「もしかして、、、、」
「次が、まゆみさんの出番です」と
マネージャーが言った。
やっと、向こう側に行ける、、、、
どんなシーンかは、だいたい分かってたけど
実際どんな感じかなと思った。
そして男性がやって来て「REDY」の指示。
そして、「GO」
現場に到着したら、思ってたより
暖かい雰囲気だった。
１回目は、昨日の指示通り真っ直ぐ前を見て
カートを押した。
主婦役やけど、、、、本気で主婦30年はやってるし
いつものシーンではあるし、難しく無い。
少しずつ演出が変わって、
メインの俳優さんと目を合わせることになった。
「もっと笑って」って言われたので
自分が思ってるようにした。
助監督さんの説明の度、日本語できる女の人が
そばに来て説明してくれた。
難しい説明になってきたら
分からないみたいだったので、
韓国語で聞いたら「ねー」ってビックリして、
教えてくれた。
ちょっとでも韓国語できて良かった
けど、俳優さんがなかなかこっちを見てくれない。
助監督さんが、俳優さんに細かい演技をつけていた。
お陰で、次は目を見てくれた。
ここくらいから、カートをスタッフが
戻してくれるようになる。
「どうせ何回も撮るんやから」と、覚悟してた。
よくテレビで見るような広告って
こんな風に撮ってはるんか～‼️
と、面白かった。
私を追うスーッと横に滑るカメラ、
身体に四方機械がついてるSFに出てきそうな
、真っ黒のスタッフ、
大きなモニター、メインのカメラ、、、、、
スタッフも出演者もメチャ沢山。
エキストラみたいな人も20人くらい来てた。
見学の人かと思てたら、エキストラの人達だった
何もかも初めてで、面白かった。
そして１０回にまだ到達してない時、
突然「オッケー」が出た
「マジか、、、、早いな、、、、」
マネージャーさんが、そばに来た。
「思ってたより早く終わった‼️」と、言ってたら
監督さんが大きい声でちょっと離れた所から
「ソンセンニム（先生!）
!カムサムニダ～」
って、頭を下げてくれたので
私も頭を下げた。
（年配の方を韓国では、先生!と呼ぶ
）
）この監督の言葉が、今までの惨めな自分を
サッと救ってくれた。
今まで、指示は助監督さんが出してたので
監督さんが急に言ってくれたので、
上手くいったんやな、、、、って、嬉しかった。
自分は、ダメじゃないんや、、、とも思えた。
帰ろうと思ったら、
追加で目線合わせる時のアップを撮ってくれた。
アップが映ったら嬉しいのにな～‼️
待機室に戻ると、他の主婦達が
「もう終わったん⁉️」という顔で私を見てた。
そして、１時間ほどまた待機して、
２つ目のシーンは、突然呼ばれた。
「早く、早く」って言われて、
到着したら、もう皆さんスタンバってた。
さっきと同じようなシーン。
（こんなシーンあったっけ、、、）
）全日は、
「思ってたイメージと違うな～‼️」と思ってた
若い俳優さんだけど、
目を合わせて笑われるとやっぱり魅力的。
可愛い顔してはる。
スタッフの人も「カット！」と、
監督さんが言う度カートを戻してくれて、
モニターチェックになったら、
毛布をかけて、ホカロンを渡してくれて、
後ろに椅子を置いてくれるようになった。
メークさんは、口紅塗り直してくれるし、
ヘアーも直してくれるし、、、
「ドラマみたいや、、、、」
椅子が来た時は、さすがに、
マネージャーさんも笑ってた
どうやら、ちゃんとできてるみたいだった。
「よかった、、、、、」
女優さんてこんなんで、
偉そうにしたりしはるんか？
と、ドラマの見すぎおばさんは、想像した。
そして、このシーンもサッと終わった。
そして、この日の撮影は、終わった。
5時何分かの始発を待って乗った。
帰り道、「オモニ広告もっとやりたいか？」
と聞かれ「ね‼️（はい）面白いです」って、答えた。
この日、演技って面白いんやろうな、、、
って、興味を持った。
ビギナーズラックなのか知らないけれど。
監督さんの言葉のお陰で
自信が持てるようになった。
ただの主婦の私が、
韓国でメジャーなお仕事をすることができた。
帰りは、もっと疲れるかと思ったけど、
えいちゃんの言う通り、終わったら
意外と元気だった。
モデルってしんどい仕事なんやな
帰り乗り換え駅で写真を撮って、、
（思い出の写真になると思う）
）
電車に乗り換える通路を歩きながら思った。
早く誰かがメジャーな仕事を
しなあかんって思ってたけど、
まさか自分がするとは、、、、、
そして、韓国に来てからの長い日々が、
ひとかたまりになって思い起こされた。
何て長い不安ばかりの時間を、過ごしたことか。
そして、何回絶望して、
どれほど泣いたか。
何より、高齢で、外国人で、
言い様の無い疎外感の中、
よく今まで耐えて来たな。
よく諦めずに来たな。
って、思ったら、、、、、
初めて、、、、、
生まれて初めて、自分のこと
「よう頑張ったな」って思えた
自分の事だけど、
こんな風に思えたのが驚きで、
印象的だった。
2017年6月に留学生活を、始めて以来
韓国語できなくて泣いて
時々、楽しい事もあって、
成功したらどうなるのかという
世界を垣間見てせられて。
頭にインプットされて。
上手く行くのかと思ったら
全て無くなって、、、、、、心配して泣いて。
出会ったかと思ったら別れがあり。また号泣
ヤバい人もいっぱい見て
後から聞くパターンもあり。
途中から革のアクセサリーを作り始めて、、
そして、コロナが始まって、
韓国で一人になって、、、。
次は、日本に帰ったら、今度は韓国に戻れず。
病気と戦いながら、服も作るようになって
帽子も作ったり
鼻の手術して、ガリガリになって、、、、
２０２１年１２月
やっと、韓国に行けたけど隔離され
韓国語学院に、通って
初めての個人撮影したり
初めてのオーディション受けたり
初めてのショーに出たり。
お祭りで優勝したりしたけど、
オーディションに落ち続け、
仕事も来ないで、
時々来た仕事も韓国語が出来なくて無くなったり。
ずっと、ずっと一人で寂しかった。
若い息子達には分からない孤独。
どうせ数に入ってない。私が行っても誰も喜ばない。
韓国で、若い人とばかり一緒にいたから
年をいく孤独感を本当に早くから味わった。
それが最近、少しずつ変わって来てる。
若くても、職人さんとか
アメリカ系の、韓国の人とかは、
私を一人の人間として接してくれる。
そして今回、メジャーなお仕事を無事終えて
今までの自分にご苦労様と言った。
不思議と涙がでなかったのは、
疲れすぎてたからだろう。
泣くのも体力的余裕が必要なのね、、、
この年になったら
昨日は、待ちに待った、
えいちゃんとの、のんびりタイム
前から行きたかった、人気の寿司店
스시신조/寿司シンジョ
姉妹店？どちらも美味しかった。
このお寿司屋さんは、
日本で修行してはったみたいだ。
そして、ちょっと歩いてE MART の横にある
MILDERS
リビングにソファー
人間らしい生活
今では、テレビも見れる。
えいちゃんと、自分のコマーシャル見れるかな～⁉️
ネットフリックス見たおす
