しばらく夢を見ていました…
なーんちって。
こちらにもupする予定ですが、
私の蕎麦を食いに行った記事がココ で見られます。
「草津蕎麦紀行」ってのを見てください。
これはひみつですが、
人物紹介なんかを見ると、はむすたでない私が拝めます。
これからもよろしく~
先週の土曜日は神戸へ出張。しかしこれは 自費 である。
ウチの会社は、出張なんてナシである。会社のセンパイにそう教わったのである。
センパイは「上司は何千万も稼いでいるのに、本当にそれでいいのか」と心配してくれた。
なのに何故私が神戸にいるかというと、私は介護に負い目があるからなのだ。
今回の書籍企画は、介護の現場でどうしても必要だった医療処置の本である。
私はこのテーマを、いつか扱いたかった。職業介護者は医療処置ができない。
しかし、この処置は確実に利用者の生活の質を高め、普及しつつあった。
今はまだ、家族がその処置をするだけだけれど、近い将来、職業介護者に限定容認される。されないではいられないハズだ。
ホントはもうちょっと、私に編集スキルがついてから扱いたかった。
よりよい本ができる自信がついてから扱うべきだったかもしれない。
でも、今が扱い時だと思った。今ならこの分野の「これから」が明確に見える。このあとはどうなるかわからない。
だから、いま、ちょっと無理してでもつくってみよう、と思った。
今できることを背伸びしてやったら、次にいけそうな気がして。
介護を離れた私が、現場に還元できることは、まあ、こういうことだろう。
やりがい、とかそういうんじゃなくて、何というか、私なりの足抜けのスジというものだ。任侠なのである。
そういうところに金を払うのは、仕方のないことだと思っている。別段会社のためじゃない。
オットは、そういうことには何も言わない。
などとグダグダ言っているウチに空港である。
空港には、サービスと称しながら小銭稼ぎのマッサージチェア
さて飛行機へin。
久しぶりじゃん。空キレイじゃーん!まっさおじゃーん!!!泳いでるみた~い!
(機内ではケータイの電源を入れてはいけません、ので写真なし)
あー、いいなー、そら。ホントに泳ぎたい。JALの方、私をココに置いていってください。
毎日パソコンの前でごちゃごちゃ生きてんのがアホみたいである。
空をみているのが眠くなった頃、お隣に座った立派な男性とお話しする。
彼は、ロスに住んでいて、一年中世界を飛び回っているのに、
神戸のご実家のお母さんの顔を見に、季節ごとに帰省するのだそうだ。
違う世界の、しかも聡明なひととするお話しは、とても開いて、楽しい。
発想がふくらんで、アタマから パカ と花が開きそうである。
神戸空港のおすすめスイーツを、わざわざメールしてくれた。
神戸では、例の医療処置の研究会が行われていて、そこに今回の著者たちがいるのだった。
研究会終了後お会いすると、メインの著者は、個人病院の後継者であったが、熱いヤツだった。
私も冷めたヤツではないたちだが、彼は関西系のむき出しな熱さだ。チョイクドでもある。
彼の幼なじみでもある内野聖陽似の勤務医と、私と同い年くらいの美人看護師と、
チームを組んで地域医療を推進している。
その3名+私で、書籍の打ち合わせをする。
何というか、彼らの、なれ合いでない一体感は、実に素敵であった。
そこには、医療という抜き差しならない仕事をしながらも、(いや、だからこそ、)
同じ目的に向かって、それぞれの役割を遂げている連帯感があった。
緊張の中に互いへの確実な信頼が感じ取れる。居心地が、好い。
うらやましい限りであった。ひとは、仕事でこんなにひとと繋がれるものか。
私も、気持ちいい関係の職場はあったけれど、
互いの仕事を尊敬しあい、信頼しあって、自分の一部をゆだねるようなことはなかったかもしれない。
実にさわやかな気分になって、彼らと別れた。
神戸はもう夜景であった。
みなとの夜景は、静寂に望郷をまねく。
飛行機の時間まで間があるので、行きの飛行機で教わったように、神戸スイーツを吟味しつつ、
2階の上島屋珈琲で、すこし甘いミルク紅茶を飲み、楽しかった余韻にぼややーん、と浸る。
そして神戸空港を上から目線で激写。
帰りの飛行機、着陸時にみえた川崎コンビナートの夜光虫が、
おまえ、おまえ、まだいけるか、と尋ねてくる。
そうね。大丈夫そうね。今日の成果は、単なる仕事を上回って余りあるもの。
見たことのない、素晴らしいひとと会う、ということが、こんなに自分を元気づけるなら、
私もあの場所で、まだまだたくさんの出逢いが待っているだろう。
それを静かに、待っていよう。
羽田まで迎えに来てくれたオットが、見たこともない真っ赤なシャツを着て、
なんだかいつもと違う伊達男風だったので、
私はまだまだ神戸の異邦人な気持ちで、環八をクルマにゆられて帰ったのだった。
今年の4月頃、やたらと美味い大人菓子に出会った。
ほろ苦い柑橘の香り芳醇な、5ミリ角ほどに細切りされたオレンジピールに、
カカオ鮮烈な甘み少なめのオトナチョコがコーティングされ、ココアパウダーがまぶしてある。
ポキ と かじると、柑橘とカカオそれぞれの苦みが揺れて合わさって、鼻へ抜ける。
それは、南国の花の香りのように、官能的で、濃厚で、ほのかに甘い。
ど日本人の私が喰っても、ミッドナイトダイナーで、ブランデーを傾けているかのよな、
懐かしくもたそがれた気持ちにさせられちゃう、洋菓子の逸品であった。
どこの有名洋菓子店で、どんな値段で売ってやがルのだろう、と目を細めて喰った。
オットが仕事の関係者からもらってきたものだったのだが、
パッケージには店名も、商品名もなにも書いていなかった。
ただ、その人が秩父の皆野町へ行ったときに、
おいしいと言われて買ってきたらしい、という情報があった。
ええ~!秩父???この完成度の高い洋菓子の逸品が?!
山ひとつ越えた、夜祭りで有名な超日本臭い場所に、こんなモノをつくる店があるとは!
こんな相反した魅力には、飛びつきたくなるのが人情ではないか。
そんなわけで、本日秩父へ行ってきた。
店名も、商品名も、なにもわからない。
何を探せばいいのだろう。
まず、皆野町に入り、洋菓子店を探した。
「亀沢屋」という和菓子屋がすぐに目につき、中に洋菓子のショーケースもあったので、
オットが様子を見に行くも、すぐに「無かった」、と戻る。
そだよね。一発目でわかるはずもない。
同じ筋沿いにパン店が。パン屋でももしや、と思って、今度は私が尋ねる。
無い。このまちで洋菓子を扱うのは、先ほど訪ねた店だけで、
あとは秩父市を探したほうがいい、といわれた。
そんなわけで秩父市へ移動。
まずは、観光案内所でできるだけ情報を集めよう、という省エネな発案がオットからなされたので、
道の駅にある観光案内所で、紺色ポロシャツのウエストがきゅっと締まった、
押さえた魅力のおねえちゃんに、秩父市タウンページ「菓子店」のページをコピーしてもらった。
職業柄、ココでもう一押しするのが情報を扱う者の生きる術である。
「この中で、こんな感じのコジャレたチョコをつくりそうな店ってどこですか?」
と聞いたら、2店挙げ、そのウチの一店はわざわざ電話してつくっていないことを確かめてくれた。
ココまで教えてくれたら、あとは自分のカラダで何とかするのが礼儀ってモノだ。
もう一店への行き方を教えてもらい、頭の中で「太陽にほえろのテーマ」を流しながら、
道の駅を駆け足であとにする。もちろん、駐車場までですけど。
もう一店舗は、いかにもコジャレた菓子を出しそうな佇まい。
その名も「プロヴァンスの森」であった。
期待に胸をふくらませて、「オレンジピールチョコを作っているか(または過去につくったことがあるか)」を尋ねる。
ふくよかなバイトちゃんが中の店主に確認したところ、そのようなモノをつくった過去はない、とのこと。
…手詰まりである。父さん、ここで、この旅も終わりでしょうか。
念のため、ふくよかちゃんに、このようなかわいらしいケーキを作っているお店は
町内に他に無いかどうか再度確認した。
すると、この通り沿いに「みとや」というお店がある、という。
一筋の光が!ふくよかちゃんの額に白毫が見えた気がした。
クルマでは2分とかからない「みとや」へ。この店は表通りと裏通りに2種類の店があって、
裏通りの店のほうで、ロールケーキを中心に工夫を凝らした洋菓子を作っていた。
華奢な木村多江風の店員さんに、上と同じ質問を投げかけたところ、
「はい、丸いものですね。冬につくっております」とのおこたえ!ビバ!………ん?丸い?
「丸いのじゃ無くて、こう、人差し指の半分くらいの太さの細切りなんですが…」と具体的にふると、
「それはウチのではありませんね…」とのおこたえ…。
ひーん!ココまで来て、ハズレくじ引いた感じ~!
よくよく聴くと、この辺では他に皆野町の亀沢屋さんがつくっているかも、とのおこたえ。
でも、当店もそうだが、チョコ菓子は冬にならないとつくらないので、
今時期は店頭に並んでいないと思います、というわけだ。
木村多江ちゃんに厚く礼を言って、店頭でうろうろしている第一店舗担当者(オット)に
「さっきの店、ちゃんと店員さんに、『こういうのありますか?』って、聴いた?」と尋ねたら、
沈黙を保ったまま、かぶりをふりやがりました。
お、おまえ~!!!調査は訪問の基本なんだよぅ~!店員さんに聴かないで、何がわかるんだよぅ~!
もう皆野町に戻るのはイヤなので、携帯で「亀沢屋」の番号を調べて電話した。
優しい優しい声のおっちゃんが、「ハイ、そういうの、つくってますよう。
オレンジピールがオランジュで、グレープフルーツピールがパンプルムースっていう商品名ね~。
でも、10月半ばから5月初めくらいまでしかつくってませ~ん。また電話ちょうだいね~。」
というのに、不要なほど礼を言って、この旅は、ココにおいて終了しました。
この顛末をブログに書く!と帰りのクルマで宣言したら、
オットが、「オレのことを書いたら今後一切ブログはさせない!」などといいやがった。
これが麗しき逆ギレというものである。そんなものは知らない。離婚でも何でもバッチこいである。
でも、一店舗目で見つかったら、たしかにこんな旅になることもなかった。
とおまわりは、それもまた美味しい。オットの失敗も良しとしよう。
そして、10月には、オランジュをまた買いに来て、堪能しよう。