台湾食べっぱなし(小吃と台湾華語) -14ページ目

台湾食べっぱなし(小吃と台湾華語)

台湾に住むことになっていろいろと、気持ちよかったりわるかったり。楽になったり辛かったり。
食べ物のことが中心です。

※とある映画のネタバレを含むので、映画の名前が出てきたら要注意です。




日経サイエンス記事によれば、とある科学者(医者)が、自身の「手」で、こんな実験をした。


「左手の指の関節を、各指一日に2回以上鳴らす。

対して、右手の指は、比較対象として自然に鳴ってしまう以外は鳴らさない。」

このような実験を50年にわたって行い、自身の左手のみが関節炎に罹患するか否か。


彼曰く。

「幼少のみぎり、私が指の関節を鳴らすことを覚えた。

しかし、それを行うとき、ある権威筋(両親、祖母、教師等)から

執拗に『それを頻回に行うなら関節炎になるだろう』との警告を受けた。

あまりに強く主張されることに反比例して、私の中では『ほんとうにそのようなことが起こるのか』と、

反駁心を主たる動機として、このように検証する方法論を構築した」


彼は立派に目的を果たした。

すなわち、左手の指は関節炎にならなかったのだ!!!


彼は、実験の方法と結果を、ムスコの小学校での講演で自慢気に披露した。

そしたら、ムスコの同級生が、

「老人ホームで、関節炎にかかっているヒトが昔指を鳴らしていたかどうかを聴けばいいんじゃないですか」と言い放った。


費用対効果もよい。一般化も比べて容易である。

いやあ、実に若さのにじむ、明朗な答えである。

でも、50年指を鳴らし続けるこの実験は、この科学者にとって、すなわち復讐である、ということなのだよ。

科学とかいうけど、結局は好奇心とか、復讐とか、まあそんな原始的な感情から始まるのだ。

小学生にはまだ、ヒトのふくよかな単純さはわかるまい!


この科学者にとって、当実験は非常に満足できる結論だった。

だって、彼の身体において、教師や親の警告は反証されたのだから。


一般化?クソ喰らえ!私は関節炎にならなかったではないか!




封切り初日、「サロゲート」という映画を観た。

現在、脳科学の最先端で研究されている、BMI(ブレイン・マシン・インターフェース)という技術は、

脳の活動時に発される微細な電気信号を感知し、人工身体を動かそうというもの。

当初は、身体の不自由なヒトのために、という名目で開発されるのだが(ココまでは、今現在、ほんとうに起きている過程)

そのうち、自分ではないよな美しい人工身体(サロゲート)を提供する会社が現れ、

「あなたは傷つくこともなく、老いることもなく、世界を思うように動けるのです!!」と、そそのかした結果

元気な人もみんな自宅で寝そべって人工身体を動かすようになっちゃう、という世界。


これがまた、ハリウッドらしく、ストーリーが極めてシンプル。

この仕組みを作った本人が後悔して、システム自体を壊そうとする。

その時、動かす側も殺されてしまうという、まあ一種の自爆テロですね。


主人公はブルース・ウィリスで、彼も最初はサロゲートを使っているのだが、

ダイハードみたいにはっちゃきするモンだから、サロゲートがこわれちゃって、

生身でテロを阻止しようとする。

サロゲートよりジョン・マクレーンのほうが強いんだもんねっ。


いろいろあって、人間は救った。

では、サロゲートシステムそのものを存続できるボタンを押すかどうか、選択の数秒。

彼は、コドモを亡くしてひきこもってしまった奥さんを、部屋から出し向き合うために、

「NO」の選択をする。


快適に生きる権利?クソ喰らえ!彼女は部屋から出てきたではないか!





科学の一般化など、正しい使い方など、いとも脆い。

世界は、極めて個人的なある人のある時のある感情で、ごろりと転がる。



マックでは、アメリカンバーガーの期間シリーズ展開をしているらしい。

オットがテキサスバーガーを食べて「あまり美味しくなかった…」とガッカリしていた。



ハンバーガーやホットドックには、やっぱりどこまでもアメリカンであって欲しい。


ムニ小学生の頃、けだるいあまり仮病を使って学校をサボって、外はピカピカな平日の午前中、

布団のなかから見ていた、テレ東で放映するアメリカンアニメのバイプレーヤーたちが、

ジャンクフードに大口開けてかぶりつく様子が、どうにも旨そうでたまらなかった。


その頃、食品添加物の害が取りざたされたさなかであったから、

アメリカというのは、身体に悪いもの=ジャンクフードを、実に旨そうに喰う国だと、知った。

たしかに無頓着な時代を経て、そういうもので人体に害なども起こった末、

周りのオトナや社会は「私たちだけは身体にヨイものを!」と反動的になっていた。

そこにむしろ手前勝手な浅薄さを感じてうんざりしていたから、

アメリカはコドモにも「じゃんじゃん(悪いものを)食べていいよ」と言うんだと、

ヒトのヨゴレを見切った潔さのような、憧れをちょびっと感じたのだった。


あとから、見ていたアニメは、食品添加物の害をアメリカ人が知る前に作ったのだと知るのだけれど、

コドモの頃に感じたイメージは、ピヨコのように刷り込まれて、なかなか消えない。




国道16号、「限りなく透明に近いブルー」の福生は横田基地ヨコにある、「DEMODE DINER」

都心のは行ったことあるが、ココのロケーションがいいな、と思った。


ハンバーガーのジャンクさは、アメリカンでなくてはならない。

日本の繊細な味は必要なくて、肉と、バンズの味がすればいい、と思う。

ここのバーガーはそれである。レギュラーハンバーガーをチョイス。


ムニぞうの つれづれ人生横町-レギュラーバーガーとビールのセット


ハンバーグはしっかり手でこねられ作られ、アメリカンビーフの呪いを消すよにしっかり火を通してある。

バンズは、決してふわふわではなく、むしろぱさつくのだが、

どっしりした肉の重みは、このざらついて軽いバンズでないと、受け止められないと思う。


塩味は控えめで、サウザンアイランドソースが添えられている。

「好きにかけて食べて。ポテトにつけてもいいし。」

そのソースも濃い味ではない。肉と、トマトと、パンの小麦の香りが口内で存在感を増す。


添えられているフライドポテトは、対照的に塩をしっかりきかせていて、

バーガーと一緒に口にほおりこむと、イモと油の甘みとともに、肉の旨みを醸す。


これらに飲み物がついて850円、

カフェオレは、全ミルク仕立てなことはわかる。もしかするとネスカフェを使っているかもしれない。

でも旨い。耐熱マグに入ってきて、ゆっくり飲んでも冷めない。

他のテーブルを見ると、アイスドリンクはマックのLよりはるかにデカいコップで出されていた。




私は+300円でグラスビールセットを頼んだ。

オットが、ロバート・P・パーカーの書くスペンサーのように、

「アメリカンバーガーをハードボイルドに食べろ」と指示したからだ。


小さいときから常にマック等々、底抜けに明るい店舗でハンバーガーを食べていた私たちだが、

いつも違和感を感じるのは、ハンバーガーはこんなに明るい食べモンじゃない、ということだ。


目の前は、国道16号である。16tトラックが、ビジネスライクに、よそ見せず何台も流れていく。

その先には、横田基地の、滑走路のようなキレイな場所ではない、ただの建物。

どってことない、乾いた景色の夕暮れ。


イスがとりどりのインチキ臭い店内で、数字とアルファベットがはめ込まれたメニューを見上げながら、

ドライビールをあおり、乾いた味のハンバーガーをほおばるんである。




アメリカも、ドライビールも、ハンバーガーも、どれもすごく好きってわけじゃない。

そして、どれもすごく美味しいってわけじゃない。

このガランとした店で、ドライな景色を見るのも、極めてどってことはない。


でも、これらが全て集まったらそれは、アメリカのわびさびってものではないだろうか。

そういうものは、やっぱり完成されていて、尊重に値すると、身体で思うのである。



ムニぞうの つれづれ人生横町-DEMODE DINER



デモデダイナー 福生店 (アメリカ料理 / 熊川、牛浜)
★★★☆☆ 3.5

ココになんにも書かない間にも、地味に懸賞など応募していたら、思いがけないlackが。当たりました。

小さな努力が身を助けるのですね。



↓ このボレロ



ハデですか?いいじゃないですか。

毎日着て歩く所存です。やったね!