股関節の痛みが原因で、フルマラソンを走れなくなってから、ちょうど1年が経った。


走りたい気持ちは変わらないのに、体がついてこない。

走っても痛い。
休んでも、思ったほど良くならない。
「このまま一生、前のようには走れないのかもしれない」

そんなことを考える日もあった。

そんなときに耳にしたのが、新谷仁美さんのインタビューだった。

彼女もまた怪我に苦しみ、以前のように走れない状態が続いているという。
痛みをしっかり治すために、3ヶ月間、完全に走ることをやめたそうだ。

しかし、休養を取っても痛みはなくならなかった。
走っても、休んでも、痛みは変わらない。

その話を聞いたとき、驚くほど自分と重なった。
「それ、今の自分とまったく同じじゃないか」と。
トップアスリートでさえ、
走るか、休むか、どちらを選んでも答えが出ない時間を過ごしている。

そう思ったとき、不思議と心が軽くなった。

彼女の言葉から感じたのは、
「痛みを無理に消そうとしない」という姿勢だった。

痛みと向き合い、
痛みと上手に付き合いながら、
治療を続ける。

そして、できる範囲でトレーニングを積み重ねる。
それでいいんだと思えた。

今はフルマラソンを走れなくてもいい。
今は思い描いていたペースで走れなくてもいい。
いつか、また走れる日が来たときのために。

その日のスタートラインに立つために、
今できる準備を一つずつ続けていこう。

走れない時間も、決して無駄ではない。

これは、もう一度走るための、大切な時間なのだと思っている。