着眼点がすごい新書。
なら平安の時代から江戸時代、明治以降の文献からオノマトペを拾って、
その時代時代で、男が、女が、「泣く」こと、「笑う」ことにどのような価値観を
持っていたかを調査分析しているのだ。

特に声をあげて泣くことについては
奈良平安  男 〇 女 ×
鎌倉室町  男 × 女 ×
江戸    男 〇 女 〇
明治    男 × 女 〇

明治以降は家父長制の影響もあってか、男は表立って泣いてはいけない、
とされていたと。
しかしそれは江戸時代では逆だった。奈良平安時代も男は泣いていた。
様々な価値観の違いで、男も女も人前で泣いていい時代と泣いてはいけない時代があった。
それを、過去の文献のオノマトペから探し当てたのだ。
面白い。

そもそも、、、お恥ずかしい話だが、私がオノマトペという言葉を知ったのは
割と最近。
マラソンで富山に来て、時間があったので富山県美術館に行った時だった。
屋上にオノマトペをベースにした遊具があって、「オノマトペ」?と思ったのだった
https://tad-toyama.jp/facility/rooftop
それが今では言語学にはオノマトペは必須。
podcast「ゆる言語ラジオ」を聴いていてつくづく思う。
赤ちゃん言葉、では片づけられない、不思議な能力を持つオノマトペ。
それで時代の男女の行動、というか感情まで分析できるとは。
実に楽しい。

 


第1章 男が「よよ」と泣いていた
  ――男と女の泣き声の歴史
第2章 男は「はらはら」女は「さめざめ」
  ――泣く様子の歴史
第3章 男が「ほほ」と笑っていた
  ――笑い声の歴史
第4章 戦場の「どっ」と笑い
  ――集団の笑い声の歴史
第5章 「にこにこ」対「にやにや」
  ――笑顔の歴史
第6章 笑い声「ゑらゑら」の系譜

第7章 不審な笑い声「きやうきやう」と「きうきう」

第8章 日本語オノマトペの力