朝鮮、クルド、沖縄、、
ヘイトスピーチにしっかり取材をし、事実を伝える安田浩一氏。
直近の著書「地震と虐殺1923-2024」は圧巻だった。
この本はもとは2017年に書かれたもの。
「在特会」などのヘイトスピーチこそ減ってはいるようだが、
外国人差別、沖縄差別はSNS上で苛烈なものになっている。
いや、政治家ですらそれをいわないと当選できないからと、
選挙公約に入ったりする。
取り上げるとしたら受け入れ政策が不十分なインバウンド対策だろうに、
失政を覆い隠すためか、長年住んでいる外国人も恐怖に陥れている
野党は表の欲しさだろうし。
「少子化による人口減、労働者不足を外国人労働者で埋めるな」
じゃあ誰が働くというのか。
若い人がしたがらない仕事を彼ら彼女らがやってくれているのに。
自分は若くて健康で補助が不要だから言えるのか?
でもコンビニ、飲み屋にはいくだろう。
そこの労働力は外人なしにはなりたたない。特に地方は、、、

と、本の内容からわきでるものがある、が、
私がこの本で一番感心したのは、
ある意味安田氏のカミングアウトだ。

子供時代転校を繰り返していた自分は、いじめのターゲットになりやすい。
それを避けるために、自分がいじめる側に回って、身を守ったと。
転校するときに貰った寄せ書きの一つが、いじめらている子からのもので、
「手加減してくれてありがとう」という趣旨のもので、ショックを受けた、と。
これが安田氏の差別、排除への姿勢を決めたと。
相手をかわいそう、と思うことは正しくない、
自分が相手の立場だったら、を考え、行動に移すことが大事だと。
傍観者は加担と一緒だと。

・・・自分もうっすらいじめた記憶もいじめられた記憶もある。
深刻に考えるようなものはなかったけれど。
会社でうけたいじめ、パワハラは転職のばねにできた。
となると社会だ。
アジア人がいじめられる、ヘイトされる現場に立ったこともない。
道で、電車でただすれ違うだけだ。
でももし彼ら彼女らがいじめられていたら。
助けること、声をかけることができるだろうか。自分に。

その時は、この本を思い起こし、行動したい。

 

プロローグ
外国人労働者は奴隷じゃない!
ヘイトスピーチ—憎悪に満ちた言葉はなぜ生まれるのか—
私たちは沖縄のことを、どれだけ知っているのでしょう?

 

1「いじめられっ子」と「いじめっ子」のはざまで
父の転勤、僕の転校、そしていじめ
高卒後、社会運動を経て週刊誌の記者になる
ライフワークとなった「労働問題」の取材
そして、興味の対象は日本で働く外国人労働者へ

 

2なぜ僕は差別や排除に興味を持つようになったのか
中国人実習生の実態
外国人技能実習制度とは
外国人を奴隷のように働かせる経営者たち
日本経済がもたらした悲劇
実習生を安い賃金で働かせる仕組み
経営者の言い分にも一理あるが……

 

3排除される外国人労働者
外国人労働者がいなければ、日本の農家はまわらない
建前のうえでは外国人を国内で働かせない理由
技能実習制度をやめた韓国
かつて日本は外国に労働者を送り出していた
研修生が起こした殺人事件

 

4ある実習生が見た日本の現実
日本に裏切られ、残念で悲しい
苦しめるのも助けるのも日本人
排除されている外国人労働者は実習生だけではない

 

5差別する人々との出会い
気持ち悪い人々
ネタになると思って取材したものの……
差別が生み出す被害者

 

6ヘイトスピーチとはなにか
コロナ禍であぶりだされた偏見の数々
ネットのデマとウトロ地区放火事件
憎悪に満ちた言葉の暴力
法律で食いとめられるのか
クルド人にとって理想の地だった日本
普通に生活しているだけなのに
ここ二〇年で外国人住民は三倍以上になったが、犯罪数は激減
ヘイトに怯えて暮らすクルド人の子どもたち
かつては帰るのが楽しみだった街

 

7なぜ彼らは差別するのか
噴きあがるスイッチとは
どんな気分で差別するのだろう
「奪われた感」を持つ人の増加

 

8なぜ沖縄は差別されるのか
僕が沖縄に関わるきっかけ
露骨な差別がはじまるとき
沖縄を知らない「本土の住民」
フェンスの「内側」に囲われる沖縄
知らないことから差別が始まる
なぜ沖縄は「土人」という言葉に敏感なのか
沖縄を伝えつづける

 

9差別や排除とどう向きあえばよいのか
小さな正義感
学校で差別と排除をどう教えるか
差別や排除を見つめるまなざし
無知と誤解
ゆっくりと、少しずつ、ともに生きる
差別と排除のない社会はきずけるのか

 

対談 金井真紀×安田浩一
世界はカラフルで、気持ちいいー差別と排除のない世界の作り方ー

新版によせて

安田浩一が選ぶ差別と排除を知るための本