著者の文章に最初に接したのは、著作ではなく、
村上龍氏のメールマガジンだっただろうか。
龍さんが用意したお題に、何人かの著名人が回答するのだが、
山崎さんもその中にいた。
内容はむろん覚えてはいないが、理路整然とした、
わかりやすいものだったという記憶がある。
そんな山崎さんが2024年1月1日にのどの癌で亡くなった。
ベストセラーになった「経済評論家の父から息子への手紙」は当然
これもまたわかりやすい、愛のある文章だった。
そして今回手にしたのがこの本。
息子向けではなく、自分の考えを記しておこうと残した内容になっ
経済評論家らしく、自分の癌を経済用語で語っている。
あの時ああしておけばよかった、という後悔はしない、ということ
「サンクコスト」だから、という言葉で表現している。ユニーク。
がん保険を否定している。同感。その分投資するなりした方がいい
生命保険も。子育て期間中だけでいい。子供の成長とともに減らせ
私もそうしてきた。
墓についても共感する。親は墓を建てた直後に死んでしまったので
娘らに面倒見させるのは申し訳ないと思って
墓じまいして、八柱霊園の共同墓地にでも入れてもらおうかと、、
著者は北海道の海に散骨したらしい。佐渡の海に散骨するか、、、
FIREも否定している。
つましく暮らしてためたお金の利息で生きるより、
若いうちは自分に投資したらいい、と。
同感。
だが、どう投資すればいいのか、どうすればよかったのか。
私自身よくわからない。
今が一番自分に投資している。遅い?いや、65からが勝負、と思
あ、著者は65で亡くなっている。早すぎる。その頭脳、もったい
まあしかしこうして本という形で触れることができるのだが。
お金は悩ましいものだ。DIE WITH ZERO は理想だな。
どうすればそうできるか。
研究していこう。
しかしまずは健康を維持し、健康でいる限り、世の中に貢献して、
いくばくかのお金をいただきたい。
・・・サラリーマン生活しかしたことがないが、
いろんなものから自由になった今こそ、やるときなのだろう。
別に起業を薦める本でも何でもないが、そんな気にさせてくれた。
善い本を読んだ。
第1章 癌患者と投資初心者は似ている
●ステージⅢ、「真面目な癌患者になろう」
どのように見つかったか/癌検診に消極的だった理由/医療の商業
●情報を、拾うか、捨てるか
情報を制限しないと、身が持たない/利害関係のない、好意的な医
●上機嫌な癌患者でありたい
癌患者の時間と「資源の最適化」
第2章 がん保険はやっぱり要らなかった
●治療にかかったお金はいくら?
人生をやり直すとしたらがん保険に入るか?/衝撃の負担額/治療
●「不安に対処する」ための保険は賢くない
意思決定は結果論ではなく「事前」がベース/「がん保険には入ら
●加入していい保険の条件
安心ではなく必要性で判断する/相談はしても人間からは買わない
第3章 癌になって分かった、どうでもいいことと大切なこと
●悩ましい頭髪の問題
物、仕事、人間関係などの必要・不必要/「下級の落ち武者」のよ
●わが物欲生活と身辺整理
私の収入/地位財競争から降りることが幸せへの道/増え続けた持
●再発、意識する持ち時間
体力と時間と仕事/仕事は10年に一度リニューアルせよ/活動期
●癌患者には親切にしないで
飲酒で得たものと失ったもの/「実はどうでもいいこと」を一つ見
第4章 山崎式・終活のセオリー6箇条
●最晩年の住まいと介護を考える
人生の手仕舞いは難しい/生活はシンプルに/介護は施設で行う
●お金を守る超合理的相続対策
相続は早めに決める/親のお金を守れ!/山崎家が相続の時に行っ
親の最晩年の資産運用は「2世代運用」で
●「墓なし・坊主なし」のわが家の弔いルール
宗教なしの弔いは十分可能/死は突然やって来る/家族だけでゆっ
第5章 お金より大事なものにどうやって気づくか
●〝善意の愉快犯〞として生ききる
「山崎さんは、どのようなことがしたいのですか」/私のミッショ
●お金は「増やし方」より「使い方」こそ大切だ
お金には「使い時」がある/「守銭奴型FIRE」に疑問あり/貯
●「幸福」を決めるたった一つの要素
お金を稼ぐには幸福の犠牲が伴う/「お金」と「自由」のトレード
●「お金より大事なもの」にどうやって気づくか
お金の呪縛から逃れる鍵はどこ?/三つの「厄介な性質」/気づく
最終章 癌の記・裏日記


