力を持ったものが富を独占し、大衆は貧困にあえぐ。
これが歴史的に繰り返されていることを示した書籍。

技術革新で富が増大しても、その構造は変わらない。
ただ、、富を独占するのは、富を増大させる発明なり貢献をしたもの。
問題なのは富が増大しても、大衆がむしろ貧しくなることだった。
おこぼれにはあずかれない。
ただ、富の増大に貢献したものがそれを勝ち取る、という意味では
ウィナーテイクスオール、やむを得ない部分はある。
ノブレスオブリージュではない、という現実が悲しいが。

この構造は繰り返されてきた。
古くは狩猟社会、農耕社会で力のあるものがその収穫を独占。
弱い者は奴隷となった。
海洋文化が発達すると先進国は発展途上国を搾取してきた。
産業革命で工場が飛躍的に生産性を上げると、
その労働力は子供にまで及び、劣悪な環境で働かされた。
資本家のみが豊かになった。
マルクスエンゲルスの資本論が生まれた。

・・・下巻は何を語るのだろう。

今の日本は技術革新すらない。
それなのに富が偏在している。
偏差値エリート、世襲議員ばかりが肥える。
食うに困るものが出るとは、戦後に逆戻り。
これはこの本の題材にすらならないのではないか。。

ノブレスオブリージュ、先進国のやせ我慢で発展途上国が力をつけてきたが、
元超大国アメリカの新大統領はすべてをぶち壊そうとしている。
100年前の原理に戻そうとしている。
一面の真理なのだろうが、それでいいのか。

この書籍から思いは広がる。

 


目次
プロローグ―進歩とは何か
第1章 テクノロジーを支配する
第2章 運河のビジョン
第3章 説得する力
第4章 不幸の種を育てる
第5章 中流層の革命
第6章 進歩の犠牲者