昨年秋に早稲田大学、京都大学で開催された緊急セミナーに加筆した本。
ウクライナ紛争に続く形で始まったガザの虐殺。
この背景、真相を、非常に分かりやすく説明した内容になっている。

ハマスが先に手を出した、と、イスラエルは言う。
それだけを切り取れば事実なのだろうが、実態は違う。
イスラエルがパレスチナの人たちを追い込んで、締め出して、
どうにもならなくなって、ハマスが動いた、と見るのが妥当。
ましてイスラエルの反撃はもはやその域を超え、虐殺になっている、というのは
周知の事実。非戦闘員の赤ん坊も子供も殺す。
正当性はみじんもない。
国際法に照らせば違法であることは明らか。
しかしアメリカはイスラエルを止めない。ヨーロッパも及び腰。
それは第二次大戦のホロコーストでユダヤ人が虐殺された、
逆に言えばドイツがユダヤ人を迫害し、追い出し、住む場所を奪ったから。
戦後その救済策として、なぜか関係ないはずのパレスチナの地を与えることとし、
それがいまだに尾を引いている。
定住の地を求めるユダヤ人はイスラエルを建国し、
パレスチナ人は何も非がないのに自分の住む場所を奪われる。
それがいまだに続いている。

アメリカの二枚舌。ウクライナに対し侵攻するロシアを責められない。
そもそもアメリカは日本やベトナムの非戦闘員を虐殺した過去を持つ国。
正義より自国なのだ。
ある意味当たり前。
なのに日米同盟とやらをかたくなに信じ、属国化し、沖縄で女性がレイプされても、
米軍基地でピーファスがばらまかれても、不安定なオスプレイが飛んでも、
新基地のために沖縄の海を、沖縄戦の犠牲になった遺骨で埋められても、
文句の一つも言わない日本右翼。

目を覚ませ、だ。

 

■第1部 ガザとは何か
4つの要点/イスラエルによるジェノサイド/繰り返されるガザへの攻撃/イスラエルの情報戦/ガザとは何か/イスラエルはどう建国されたか/シオニズムの誕生/シオニズムは人気がなかった/なぜパレスチナだったのか/パレスチナの分割案/パレスチナを襲った民族浄化「ナクバ」/イスラエル国内での動き/ガザはどれほど人口過密か/ハマースの誕生/オスロ合意からの7年間/民主的選挙で勝利したハマース/抵抗権の行使としての攻撃/「封鎖」とはどういうことか/ガザで起きていること/生きながらの死/帰還の大行進/ガザで増加する自殺/「国際法を適用してくれるだけでいい」


■第2部 ガザ、人間の恥としての
今、目の前で起きている/何度も繰り返されてきた/忘却の集積の果てに/不均衡な攻撃/平和的デモへの攻撃/恥知らずの忘却/巨大な実験場/ガザの動物園/世界は何もしない/言葉とヒューマニティ/「憎しみの連鎖」で語ってはいけない/西岸で起きていること/10月7日の攻撃が意味するもの/明らかになってきた事実/問うべきは「イスラエルとは何か」/シオニズムとパレスチナ分割案/イスラエルのアパルトヘイト/人道問題ではなく、政治的問題


■質疑応答
ガザに対して、今私たちができることは?/無関心な人にはどう働きかければいい?/パレスチナ問題をどう学んでいけばいい?/アメリカはなぜイスラエルを支援し続けるのか?/BDS運動とは何?
■付録
もっと知るためのガイド(書籍、映画・ドキュメンタリー、ニュース・情報サイト)
パレスチナ問題 関連年表
本書は、10月20日京都大学、10月23日早稲田大学で開催された緊急セミナーに加筆修正を加えたものです。