あるある。
事例を読むにつけ、こういう人、いるよなーと、
40年の会社生活を振り返り、実感する。
あまりに当てはまるので怖くなるほど。

思い切り事例を挙げた後、この分析に入る。
これがすごい。
事例紹介の段階ですでに出ていたけど、
一番気になるのは「自己愛」。
戦後教育の弊害?自己愛が強すぎるというのだ。
確かに、自己愛が強すぎるゆえに、
自分の失敗が許せず、この新書のように他人に転嫁したり、
自分をごまかしたり。

なまじ平等社会になったがために他人との比較で
自分の状況が見え、ストレスがたまる。。。
何がいい世の中かわからぬものだ。

この新書の秀逸なのは、
タイトルは腐らせる人たち、だけど、
どうやってその被害を免れるか、
について触れているところだ。
さすが精神科医。
腐らせる人は治らない。
だったら自分がどうするか。どう防衛するか。
それを教えることが世の中に有効であることをわかってらっしゃる

ターゲットにされやすい人の例を挙げれば、その逆をやればいいわけで。
・・・世間知らずの新社会人など、そうなりがちだろう。
まして今は地域社会でもまれず、純粋培養で育っているからなおさら。
私自身そういうところがあった。
どうやってクリアしていったか。。。
違和感に蓋をしなかったから、ということになるのかな。

ストレスがどこにあるか。
職場だったり家だったり、、、

ご機嫌に生きていきたいものだけど。

 

■第1章 職場を腐らせる人たち
事例1 根性論を持ち込む上司
事例2 過大なノルマを部下に押しつける上司
事例3 言われたことしかしない若手社員
事例4 完璧主義で細かすぎる人
事例5 あれこれケチをつける人
事例6 八つ当たり屋
事例7 特定の部署にこだわる人
事例8 いつも相手を見下す人
事例9 相手によって態度を変える人
事例10 他人のせいにする人
事例11 不和の種をまく人
事例12 他人の秘密を平気でばらす人
事例13 その場にいない人の悪口を言う上司
事例14 陰で足を引っ張る人
事例15 ストーカー化する人

■第2章 なぜ職場を腐らせる人は変わらないのか
1たいて自己保身がからんでいる
2根底に喪失不安が潜んでいる
3合理的思考ではなく感情に突き動かされている
4自分が悪いとは思わない
一番厄介な「ゲミュートローゼ」
背景にある構造的要因
1平等幻想
2渦巻く不満と怒り
3「自己愛過剰社会」

■第3章 腐る職場でどう生きるか
まず気づく
1重苦しい雰囲気
2不和やもめごと
3心身の不調の増加
4沈滞ムード
5疲弊
見きわめる――自己保身か、悪意か、病気か
ターゲットにされやすいのは弱くておとなしい人
断れない三つの理由
ターゲットにされやすい人のその他の特徴
1他人の話を真に受ける
2経験不足
3何となくおかしいという直感に蓋
4他人を喜ばせたい願望が強い
5自信がない
6他力本願
7波風を立てなくない
8孤立している
ターゲットにされないために
断る練習――「部分交渉」から始めよう
意地悪なまなざし
できるだけ避ける
ときにはやり返すことも必要