2013/6/15のブログを再掲する。写真は失った。
おそらく今は亡き友人と観戦している、、
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後半36分、怒涛の攻めからジャパンがペナルティを得、
今日はキックを全部決めて大活躍の五郎丸が冷静のゴールを決めたとき、
私は今まで感じたことのない「痺れ」を覚えた。
いや、それに近い感覚は何度かあった。
1986年1月15日の日本選手権慶應トヨタ。上田監督、中野組がまさかの勝利。
6万人の観衆の中、遅れて入って、一番高いところから観た。
交流戦に出られない、弱い慶應が早稲田に逆転のPGで勝った1996年11月23日。
今見れば早稲田は石塚監督ー中竹組。慶應は上田監督がもがいているときだった。
この試合をテレビで観て泣いた。
そして2000年1月大学選手権決勝、関東学院戦。上田監督、高田組。
国立のポールの後ろで観た。完勝だった。
さらに2010年11月23日、早稲田に10年ぶりの勝利。林監督、竹本弟組。
これは携帯のワンセグで観たのだった。
この4試合は感動した。下馬評の低いチームが勝ったからだ。
ライブで観たのは国立はあまりに遠い席で、後はテレビ、
試合そのものは感動したが、体感というにはいまひとつ実感がなかった。
それが、今日はすべての条件が整っていた。
業務多忙につき丸ビルに出勤、それでもなんとか13時に会社を抜ける。
走る格好に着替え、その荷物を背負って5キロ、一路秩父宮へ。13時半到着。
ラグビー観戦仲間が待っていてくれた。
バックスタンド伊藤忠寄り10mライン際中ほど。
いい場所!ファンクラブに入ったため優先入場していい席が取れたのだという。
2時間待ってくれた。ありがたい。
そう、花園に続いて今日の秩父宮もどんどん客が入る。
試合が始まるころには電光掲示板下の立ち席もほぼいっぱいになった。
5キロ走って汗だくだが、走らなくても汗だくだったろう。強い日差し。日本有利!
試合開始。今日はウェールズがいい。モールを押す。
スクラムはなぜか日本ペナルティ。前半の前半はまったくのウェールズペース。
陣地もボールも3割確保できていたかどうか。
伊藤忠側で陣取るわれわれのほうになかなか来ない。
ただ、入りの2分のウェールズPG、割とイージーだったはずが、はずしてくれた。
これを入れられていたらずるずる行ったかも。
14分、五郎丸は難しいところを決めた。
前回花園で彼が2本決めていれば勝てただけに、このキックは大きかった。
21分にPGで追いつかれたが、その後日本のリズムがよくなり、
何度か敵陣深くに入り込み、あわやという場面があったがなぜかペナルティで
チャンスを潰す。それでも攻めて34分五郎丸がまたも決めて、6-3で前半リード。
立川のキックが何度かチャージされたのが気になった。
それと福岡。やはりディフェンスはまだお子様だった。
その点廣瀬、攻めではたまにしか目立たないがしっかり守り、
田中が巻き込まれたときはSHも勤める。
週途中までは雨の予報が好転、というよりは真夏日の様相。日差しも強い。
後半早々、ウエールズが攻める。守りきれず4分にトライを許す。
ピシばりのループパスだった。結果的にこれがウェールズ唯一のトライとなった。
しかしゴールキックははずして6-8。これも大きかった。
6-10とは精神的にだいぶ違う。
しかもエディさんここで動いた。真壁と畠山を投入。これがよかった。
モール、スクラムとも安定、また真壁がいい動きをする。
日本はすぐさま逆襲、廣瀬が突進、田中がパスせず持ち込み、最後はウィング。
個人技でトライ!五郎丸難しいゴールを決めて13-8と逆転に成功。
ウエールズはラインアウトの集合も遅い。相当きてる。チャンス!
19分、今度は完全に余り、ブロードハーストはボールを置くだけ。
ファンはラストパスの前から総立ち。もう少し中に食い込んでくれればよかったが、これも五郎丸決めて20-8。ほぼ勝利を確信。
ウエールズも焦りだし、ミスが増える。
ゴールラインまで攻めこまれるも何とか盛り返す。
田中、大野らもお役御免。日和佐も攻める。
そして36分、福岡の俊足が敵の危険なタックルを誘い、ペナルティで五郎丸。
これを決めて勝利が決定的になる。今日はパーフェクト!
このゴールを観て頭が痺れた。熱中症気味だったかもしれないが、
目頭が熱くなった。
15人の主力を別の大会に取られた実質2軍のウエールズではあるものの、
世界ランク5位とのテストマッチに勝利目前。
過去のラグビー栄光時代にもなし得なかった勝利を目の前で観る、
感じることが出来るのだ。21062人の観客と一緒に!
ウエールズの深いキックに必死に戻る立川、足が吊る。
そして40分、ホーンが鳴り、その立川、ジャッカルしたボールを持って
体ごとタッチに出て試合終了!
いつもは試合が終わればそそくさと席を立つが、
今日ばかりはこの感動を味わい続けたかった。
エディのインタビューも歓声で聴こえない。廣瀬の声も、、。
廣瀬、いい働きだった。
選手たちが何度もガッツポーズをする。抱き合う、飛びつく。すばらしい。
試合終了間際に雲と風が出てきた。天気もこの歴史的勝利に貢献したろう。
来週は水曜にカナダ、日曜にアメリカと戦う。
ランキングの近いこの2チームを破ってこそ本物。この暑い中試合間隔が短く選手は相当きついだろうが、ここで進化が問われる。
カナダアメリカに負ければ、「ウエールズは二軍だったから」といわれること必至。
何とか勝利してほしい。
今日はブレイクダウン、ディフェンスは相当よかった。
ウエールズが弱かったのかもしれないが。
しかし、ラインアウトと、畠山と真壁が入るまでのモールとスクラムは
いただけなかった。
攻撃も速さは光ったが、本当の日本のトライパターンとはちょっと違う気がした。
いずれにしても楽しみ!
しかし今日は、この感動を祝杯にすることは出来ず、
また30分かけて丸ビルまで走り、汗を拭いて17時から仕事に戻った。
6月いっぱいはこういう日々が続きそう。
しかし、いずれにせよ、日本ラグビーにとって歴史的な2013年6月15日、
千葉県民の日になった。