ビジネスマンはは論理的思考、アーティストはアート思考、
それから第3のデザイン思考。
イノベーションの父ヨーゼフ・シュンペーターは
新しい知とは常に、既存の知と別の既存の知の新しい組み合わせで生まれる、
という。
論理的思考やデザイン思考ではイノベーションは生まれない。
企業は全く違う視点を持つアーティストをプロジェクトリーダーとして
コンセプトを打ち立て、イノベーションをもたらそう。
日本にもこんなイノベーションがある、
ということでいろいろな例が取り上げられている。

【本書で取り上げているアーティスト、企業事例(掲載順)】

■名和晃平、久保田沙耶、篠田太郎、加藤翼、AKI INOMATA、岡田裕子、崔在銀、
田村友一郎、藤井光、サイモン・フジワラ、北桂樹、オラファー・エリアソン、
日比野克彦、長谷川愛、藤元明、チームラボ、杉本博司etc.

■ヤマハ「TENORI-ON」、グーグル「トラッカージャケット」、
藝大×コープ「コープデリ」、コニカミノルタ、
マクドナルド「マクドナルドラジオ大学」etc.

・・・なんだか違和感のある構成、というのが正直な感想。
言っていることは間違いはない。
新しい感性がないと企業ではイノベーションは生まれない。
論理的思考なんかで新商品ができるわけがない。
まあ、、、市場の失敗を探し出すのもイノベーションだとすれば、
論理的思考に根付いた問題発見・解決手法を用いれば、
ターゲット、課題は見えるはず。
だがそこから解決策に至るには飛躍が必要で、
ここにアート思考が必要、というのは当然。
アートの3つの力

【見えないモノを可視化する現代アート3つの力】
① 革新を生み出す「飛躍力」
② 常識を覆す「突破力」
③ 実現を促す「共感力」

がなければ新しいものは生まれない。
そのとおりだ。

しかし、、、それがアーティストじゃなきゃだめ、
と言っているように読めるのが違和感がある。
ビジネスパーソンとアーティストが同居していてもいいと思う。
一人の人間の中に。
多様性の時代はヒトを区別しないのではないか?
誰もは発信者になる時代。クリエイターになっていい時代。

アーティストであれば何でもできる、ってものではないように思う。
普通の人がアーティストになる方法、頭の作り方を見出したほうが
良いのではなかろうか。