表紙とタイトルを見たときは一体何の本だったっけ、
という思いだったが、読み始めたら止まらない、
素晴らしい立身出世の本だった。
貧しい北海道の元ニシン漁のせがれが、
中卒と同時に札幌に出て料理を学び、
札幌グランドホテルに飛び込み、
帝国ホテルに飛び込み、
ジュネーブの大使館の料理人になり、
フランスの3星レストランのシェフになり、
日本に凱旋して予約の取れない店を持つ、、、
なんて書くと順風満帆、
与えられたコースを歩いてきたように見えてしまうが、
とんでもない。
何のコネもない貧乏人の彼が、いかにチャンスをつかんだか。
皿洗い、鍋磨きを徹底的にやる。
一番偉い人に印象を残すために考え抜く。
これは、ボンボンにはできっこない。
本当の地頭の良さがなくては。
今の偏差値エリート官僚や世襲議員には絶対ないもの。
彼がチャンスゼロの世界でどうやってきっかけをつかんでいったか、
それを読むだけでワクワクする。
今の日本にないもの。
金持ちは金持ちを引き継ぎ、貧乏人は貧乏人のまま。
立ち上がれない。
そんな国はおしまいだよ。
それだけに、70歳になろうとしている彼の最後の挑戦は凄い。
大繁盛の店をたたんで、本当にやりたいことをやる。
「三國」
行ってみたいなあ。カウンター8席だけのお任せの店。
第1章 小学校二年生の漁師
第2章 黒いハンバーグ
第3章 帝国ホテルの鍋洗い
第4章 悪魔の厨房
第5章 セ・パ・ラフィネ
第6章 ジャポニゼ
最終章 最後のシェフ


