何だこの文春新書。

行けてるね~ちゃんの写真。

何の本だっけ?と思いながらページをめくる。

 

あ!

読み進めて慌てて表紙を見返す。妊婦だ。腕に絆創膏。注射の跡。

そう、妊婦だがコロナワクチンを射った時の写真なのだ。

科学的見地で、打たないリスクと打つリスクを考えたうえでの判断。

それをSNSで非難する人たち。

著者自身がそうしたバッシングの中にいた。炎上された。

 

この新書は、小児精神科医として、心と脳のメカニズムから、

人間の、社会の問題を、社会正義を語った内容になっている。

 

恐れず変化の種をまくために。

 

初めて聞いた言葉として藁人形法、かかし術というのがあった。

ある意味論点そらし。

黒人差別への抗議の意味でアメリカ国旗掲揚に起立せず跪くアメフト選手に対し、

「国のために戦う軍人に失礼だ!」というようなこと。

こうしたずらしは日本でもよくある。

というかこんなことばかり。それで言い負かした気になる。マウントする。

知性のかけらもない。


差別、偏見との戦い。

確かに、一人一人の状況を把握して接するのは非常にエネルギーがいる。

だからといってステレオタイプに相手を判断して接すれば、軋轢がうまれる。

ましてそこにマイノリティとマジョリティの力関係があれば、、、

 

我々日本人も国内にいるから、アジア人に対して偉そうにしているが、

海外に出ればマイノリティのおとなしい、主張しない、小さな東洋人なのだ。

相手を尊重する、あたりまえのことだが、これができない。

そうできるよう接していきたいものだ。

 

 

 

 

プロローグ 妊婦のワクチン啓発で気づいたThemとUs
第I部 炎上はなぜ起きるのか
第1章 脳科学で考える炎上のメカニズム
第2章 炎上への処方箋
第II部 差別と分断を乗り越えるために
第3章 子どもに学ぶ同意とアドボカシー
第4章 マイクロアグレッション ムズムズした気持ちに名前がつくことで
第5章 アメリカ社会の差別から学ぶ アジア人男性とハリウッド
第6章 ベトナム帰還兵との対話 ThemとUsは簡単には分けられない
第7章 沈黙を破る 「沈黙は共犯」の後で
第III部 女性小児精神科医が考えた日本社会への処方箋
第8章 子どものメンタルヘルスに向けられる偏見に打ち勝つ脳科学
第9章 女性を苦しめる労働環境は男性をも苦しめる
第10章 「母」への眼差し、女性の身体の自己決定権
エピローグ ラジカル・アクセプタンス ソーシャルジャスティスを育てるために