この新書について語るには、まずこの4人が何者かを示さねばいかんだろう

太田昌克[オオタマサカツ]
1968年生まれ。共同通信編集委員

兼原信克[カネハラノブカツ]
1959年生まれ。元国家安全保障局次長

〓見澤將林[タカミザワノブシゲ]
1955年生まれ。元軍縮会議日本政府代表部大使

番匠幸一郎[バンショウコウイチロウ]
1958年生まれ。元陸上自衛隊西部方面総監

ということで、太田さん以外はバリバリに現場で国防を考えてきた人たち。
太田さんも核についての著作が多いジャーナリスト。
兼原さんがファシリテーター。

この4人が世界の核の状況を基に、現状の日本の姿、今後のあるべき姿について語りつくす。

結論は、、、核は使わせたら終わりで、やられたらやり返す、では遅い、
こちらもできるんだ、というところを見せないと、、、という感じだろうか。
もちろん日本は核は持たない。自国では。
一応アメリカの核の傘に入っていることにはなっているけれど、もし東京に核が落ちても、アメリカはやり返さないはず。
さてそうなると、、、
通常兵器でも相手国に届くミサイルを持つことが必須。てな感じなのかなあ。

整理してたらわからなくなった。
私は日本は重武装中立、スイス形式がいいと思っていた。アメリカなど信用できない。
しかしそのスイスですらNATOの傘に入ろうとしている。
経済衰退著しい日本が独自で国防するのは困難か。
欧米を中心とした自由主義国か、アジアを一つにするか、太平洋か。。

答えがないのが事実。
安倍さんを賛辞する人は外交が優れている、というが、結局どの国にもいい顔してたんだよね、
アメリカはもちろん、ロシアにも中国にも。
せいぜい韓国につっぱってただけだ。その韓国の統一教会に取り込まれていたという皮肉。

話がそれたが、ほんとは核は無くすしかないんだけどね。
その被害は通常兵器の比ではないのだから。
…その意味で、電力不足、CO2削減を理由とした原発推進、これもどうなのかねえ。
技術の進歩で事故ゼロは不可能ではないとして、廃棄物はどうにもならんよ。

不完全な人間が扱ってはいけないものと思うんだけど、、、
プーチンみたいに戦略核なんて言ってる輩もいるんだから、、

 

はじめに

第1章 核をめぐる現状
これまでの常識が通用しない/変化した五つのポイント/自衛隊にいても、核問題は遠かった/攻撃と防御の境が曖昧に/攻撃的兵器の開発合戦/日本がアメリカの核政策にコミットした唯一の事例/スターウォーズ計画という契機/専門家の中だけの議論でいいのか/核抑止と核不拡散は「一緒の話」

第2章 台湾にアメリカの核の傘を提供すべきか
米軍の戦い方は「鬼舞辻無惨型」になる/中国は南シナ海を「核の要塞」にしようとしている/「台湾を守る」と明言し始めた米国/増殖する中国のICBMサイロ/外交と軍事をどう組み合わせるか/危機を経験した方が対話は進む?/日中国交正常化の前提になっていた「台湾海峡の平和」/中距離ミサイル配備は認めるのか/アメリカの核戦略にもの申したいなら人を出せ/自衛隊が南西諸島に部隊を配する理由/危機の際の対話の枠組みを準備しておく/政策的な議論をしない政治家たち/中距離ミサイルのギャップをどう埋めるか

第3章 北朝鮮の核
三つの「弱者の戦法」/北朝鮮危機のターニングポイント/米大統領にとっての、北朝鮮問題の位置づけ/下手に扱うと、NPTに穴があく/空母3隻を日本海に入れたアメリカのメッセージ/北朝鮮は実は核戦略を熟知している?/非核化に至る「本気のプロポーザル」を一度は出すべき?/北朝鮮は中国が大嫌い/韓国とのパイプを切らすな/アジアの核抑止は元々、日韓一体だった

第4章 ロシアの核
「核を使う」と公言する背景/北方領土交渉は、プロセス自体に意味がある/北方領土駐留軍の近代化/NATO核の情報開示という交渉カード/ロシア人の頭の中は「9割軍事」/いずれ対中警戒が対西側警戒を上回る

第5章 サイバーと宇宙
サイバーや宇宙をやられると、核抑止は成り立たなくなる/非核攻撃でも核報復の対象になりうるケース/最後の手段だった「インフラ落とし」が最初に/攻撃主体をトレースする仕組みの構築を/サイバーの総合戦略を担う部署が存在しない日本

第6章 日本の核抑止戦略
「非核三原則」は維持可能なのか/「瓶の蓋」論と裏腹だったシェアリング論/打撃力の議論を始めよ/核の傘を「破れ傘」にするなかれ/沖縄の核、西ドイツの核/日本の核シェアリングはNPT違反になる/日本が核攻撃されたら、アメリカは本当に核で反撃するのか?/「やる」と決めれば自衛隊は対応可能/日本のNPT批准を遅らせた「核武装派」/日本はなぜ打撃力を持てなかったのか/長い射程を持つなら日米共同で/国会論議の質は、冷戦時代よりも下がっている

第7章 核廃絶と不拡散
日本に「核廃絶型」の軍縮提案はできない/安全保障の観点が抜けた核廃絶論議/抑止力の向上は、不拡散の議論と同時に進めよ/NATOの二重決定という先例/核兵器禁止条約の成立は、核兵器国の怠慢の結果/「核のタブー」を守る責任/自己都合でしか動かないP5の動向を理解せよ/核の使用を想定していた自衛隊の部隊編制