著者のインタビュー番組をpodcastで聴いて、面白そうと思い手配した本。 読み始めたら、、、タンザニア、ムワンザ、古着商、中間卸売商と小売商、掛け売り、持ち逃げ、戻ってくる、、、 なんじゃこりゃ。 論文か?400ページ近い。重い。 これは失敗したかと思いつつページをめくると、、、 だんだん面白くなってきた。 まずは著者の取材方法。体当たり取材なのだ。著者自身中間卸売商の立場になって、小売商や消費者とだましあいをする。 小売商の会話をしっかり記録してくれていて、これが実に生き生きして面白い。たくましい。 すっかり承認の中に溶け込む彼女。 中間卸売商にとって、小売商は商品をさばいてくれる仲間。 掛け売りで持ち逃げされることがあっても、大切なのだ。 困ったときは支援し、儲けたときは商品を悪くする。 消費者に対しても同じ。金のない人には損が出ても売り、金持ちには高く売る。 実にたくましい。面白い。市場(いちば)とはそういうものだろう。 お互いさま、持ちつ持たれつ。 政府がこれを管理しようとして暴動がおこったりもするが、消費者は商人を応援する。 いつの世も現場を知らない政府。 政府は頼れないもの、と理解したほうがいい。 著者は78年生まれ。この取材に入ったのは21世紀になってすぐだったようで。 若いお嬢さんがこんなすごい取材をするとは。 そのたくましさに敬服する。 この本の一番の収穫はそんな彼女の存在かもしれない。
はじめに 序論 序章 マチンガと都市を生きぬくための狡知 第一章 ムワンザ市の古着商人と調査方法 第二章 マチンガの商世界 ― 流動性・多様性・匿名性 ●第Ⅰ部 騙しあい助けあう狡知 ― マチンガの商慣行を支える実践論理と共同性 第三章 都市を航海する ― 商慣行を支える実践論理と共同性 第四章 ウジャンジャ ― 都市を生きぬくための狡知 第五章 仲間のあいだで稼ぐ ― 狡知に対する信頼と親密性の操作 ●第Ⅱ部 活路をひらく狡知 ― マチンガの商慣行と共同性の歴史的変容 第六章 「ネズミの道」から「連携の道」へ ― 古着流通の歴史とマチンガの誕生 第七章 商慣行の変化にみる自律性と対等性 ●第Ⅲ部 空間を織りなす狡知 ― 路上空間をめぐるマチンガの実践 第八章 弾圧と暴動 ― 市場へ移動する条件 第九章 「あいだ」で生きる ― 路上という舞台 結論 終章 ウジャンジャ・エコノミー 注 あとがき 参照文献 索引

