元文部科学事務次官前川氏第二弾。

ものを考えない連中が政権を取り、官僚を牛耳ってしまったことで起こっている事象を解説してくれている。
知っていることが多かったが、初めて知って腹が立ったのが、大した功績もないお友達を文化功労者に選んだこと。
終身年金350万円だそうな。
こんな仕組み、勲章を含め、そもそもなくせばいいと思っていたが、それを恣意的に「国」が渡せば、世の中歪む。
ばかばかしい。

国家国旗に対する天皇陛下の「強制はしないで」の発言が取り上げられている。
最近、今の天皇の考え方に批判的な向きがあるが、戦後陛下の考えは代が変わっても一貫しているのだ。
代わったのは中の空気。
保守、右翼と呼べる代物ではない、半知性主義の連中が官製ヘイトを頼りに騒いでいるだけだ。

コロナ初期の学校一斉休校の失敗も取り上げられている。
私は、あの措置は3月のその瞬間だけは、百歩譲って仕方ないと思う。国民へのショック療法の一つとして。
ただ、あれをずるずる7月まで続けたのはいけない。
明らかに非科学的、コロナに何の効果もない、デメリットばかりの失政だからだ。
それを続けたのはそれを宣言した人への忖度としたら、こんな国は亡びる。
試行錯誤はいいのだ。失敗しても。失敗を認めないのが最悪なのだ。
・・・80年前も同じことをしていたっけ。
繰り返すのかな。

前川氏を悪く言う人もかなりいるが、この本の内容を読んでほしい。

 

■第1章 安倍晋三氏による国政私物化――加計学園問題

 加計学園問題の真相/官邸からの人格攻撃とメディアの姿勢 

■第2章 私物化の継承と暗躍する官邸官僚

 国政私物化も継承した菅政権/官邸官僚・和泉洋人氏の暗躍 

■第3章 安倍・菅政権における政と官

 政と官の関係の変質/官邸一強体制と官僚の下僕化・私兵化/内閣法制局、検察庁、人事院にも広がる官邸支配

■第4章 人災だった全国一斉休校

 突然の全国一斉休校要請/子どもたちがこうむった災難/政治家の無責任・教育委員会の事大主義/学校再開後も続いた子どもの災難

■第5章 奪われ続ける自由

 あいちトリエンナーレ問題と表現の自由/日本学術会議問題と学問の自由/学問の自由と教育の自由

■第6章 主権者を育てる

 賢明な主権者とは/校則の見直しから始まる民主主義/全ての人の学習機会を保障する