世阿弥が時の将軍義教に疎まれ佐渡島に遠流になり、当初は都を恋しく思ったものの
雨ごいの能を舞い地元に溶け込む。
200年前同じように佐渡に遠流になり自死した順徳院の霊を沈め、同時に子の元雅の思いも知る。
年月が過ぎ、義教が殺され、世阿弥は都に戻ることになる、、、
とまああらすじで書いてしまえばこんな感じなのだが、
この本はそれ以上の魅力がある。私には。
私の両親は佐渡の生まれ。私が子供のころは毎夏里帰りしていて、佐渡の言葉をよく耳にしていた。
その言葉がこの本の中で生き生きと蘇ってくるのだ。懐かしい。
「おれもおしえてやるっちゃ」とか「そうらすけのー」とか、、
以前クドカン脚本のドラマ「俺の家の話」も世阿弥、親子がテーマだった。
なんだか通じるものがある。