令和元年、新天皇即位、大嘗祭。 いやがおうにも天皇制を意識せざるを得ない一年となっている。 平安朝の装束に身を包む両陛下。 大嘗祭はさらにその前から行われていた行事。 そして女性天皇、女系天皇の議論。 前にも書いたが、母校の150周年式典で陛下(今の上皇)のお言葉に触れ、 その素晴らしさに一瞬でファンになった私だが、 こと天皇制となると、腹には落ちていない。 天皇家族は尊敬するが、天皇家を取り巻く国の在り方に疑問をもっている、 というところだ。 最初にも書いたが、伝統のどうのといっても、 その時代設定はばらばら。 さらに言えば多くは明治政府が決めたもの。 たかが100年では伝統も何もない。 もっといえば、そもそも天皇家とはなんぞや。 神武=崇神が最初として、応神で王朝交代したか、 継体で代わったか。 いずれにしても2600年も続いているわけはない。 どうやら継体からは現在の天皇家までつながっているのは確かなようだが、 それをどうとらえればよいのか、ということ。 そういうことを思い起こさせるこの本。 継体天皇は5世紀の天皇。 九州の豪族らと一緒になって王朝を奪取したものの、 旧王朝に懐柔され、仲間だった豪族を裏切ることとなり、 それが磐井の乱につながる。 鎮圧したもののその処分を穏便にしたのは、もともと仲間だから、、、 そんな内容の本になっている。 天皇家といっても、そんなものなのだ。 勝ち残った一豪族。 その血筋をなぜ血眼になって守ろうとするのか。 それは政治利用に他ならない。 平安時代は貴族が天皇家と一体になって政治をおこなったが、 鎌倉時代になると完全分離。 天皇家は京都に形だけ残った。 それを明治政府が祭り上げ、富国強兵には成功したが、 行き過ぎて敗戦、アメリカの属国として民主主義国家を名乗ることとなった。 そうした中で天皇家はどうあるべきか。 誰もまじめにその議論をしないまま、昭和天皇は神から人になり、 崩御し、代替わりして平成となり、さらに生前退位で令和になった。 その儀式は明治時代に倣った。 女系はありえない、どこの馬の骨が天皇家に入るかわからないから、という人がいる。 なぜ男系にこだわるか。続いているから。それだけ。 その大本は神武か崇神か応神か継体かもわからないのに。 繰り返すが私は上皇のお言葉にしびれた。 上皇陛下のお持ちになる教養のすばらしさ。 生まれたときからそういう教育を受けてきたからに他ならない。 旧宮家の復活? それこそ血だけで、教養のない男が入ってくるのではないか。 支離滅裂になってきた。 こういう本をこういうタイミングで読んだので、 思考が巡る。 答えは出ない。 今の世に天皇制が続く意味。 考えたい。
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磐井の乱の謎
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第1章 磐井の乱勃発(磐井の乱(五二七年)の経過 『日本書紀』の描く磐井の乱 ほか) 第2章 九州と天皇とヤマト(九州の地理と歴史を知る 六つの九州 ほか) 第3章 東アジアと日本(なぜ磐井は危険な賭けに出たのか ヤマト政権の外交は任那を中心に回っていた ほか) 第4章 継体天皇の立場(たった三年で外交方針を転換した継体天皇 ヤマト政権は外交策を統一できなかった? ほか) 第5章 磐井の乱の真実(なぜ乱のあとの処分は軽かったのか 小伽耶と大伽耶の歴史 ほか)

