表紙とタイトルからして、なんだか難解な本かと身構えたが、
あらら、スーッと入ってきた。
読みやすい。
今の日本の問題点、ビジョンがない!から入って、
実際の企業のビジョン例、それもいい例よりまず悪い例、
そこから話が飛んで技術革新の速さ、
それを踏まえたこれからのビジョンの作り方、
と、腹に落ちやすいストーリー。

ビジョンには公共性、公益性が必要、というのはうなづける。 

アマゾンが大々的に取り上げられている。うなづける。

本田健さんも、楠木健さんも推奨。

 

 

〈第一部 ビジョンとは何か〉
■第1章  ビジョンを失うとすべての衰退が始まる 
予測不可能な未来を生きるために
私たちにビジョンがあった時代とは
ビジョンではなくリアクションで対応する日本人
日本礼賛番組と『進撃の巨人』ブームの関係
坂の上に雲を見ず、坂の下に幸せを見る
高度成長期の日本のすぐれたビジョン企業
ビジョンを失うとすべての衰退がはじまる
次のビジョンを生み出せなかったシャープ、東芝
衰退のスィッチを押す駄目なビジョン

■第2章  なぜ、優れたビジョンを持つ企業は成長し続けるのか
ビジョンを持った企業だけが生き残る
誕生時から不変のAmazonビジョン
ごく初期に芽生えていたAmazonのビジョン
地球上で最も顧客中心の企業とはどんな企業なのか? 
野宿生活から生まれたPatagonia
経営不振が生んだPatagoniaの理念
Patagoniaの株主は地球である
日本のすぐれたビジョン企業――無印良品
ビジョンを継続させるのは企業文化と制度

■第3章  21世紀のビジョン企業であるために
サイバーエージェントのビジョンは変えざるをえなくなる
静かに社会変革を掲げる会社
民間版の世界銀行は可能か
スタートアップはビジョンがなければ始まらない
AI研究でGoogleに挑戦するユニコーン企業
強い思いを込めたビジョンをエンジンに成長する
人口減社会に反旗をひるがえす福岡市
クリエイティブ・クラスの都市へ
地方創生のビジョンを生むために
なぜ、ビジョンに公共の視点が大切なのか。
人の数だけ企業の数だけビジョンはある
ビジョンとともに21世紀航海を始める

■第4章  ビジョンで最高の未来を創るためのヒント
テクノロジーは勝手に進化している
脅威的なテクノロジー進化のスピード
テクノロジーのカンブリア紀がやってくる
この時代にビジョンをつくる意味はあるのか? 
情報化の局面はどこに向かうのか
GAFAの世界で起こること
ゲームでは人類はAIに完全に勝てなくなった
それでもシンギュラリティはやってこない
大量のデータですくすく育つAI
ビジョンのヒントとなる四つのキーワード
四つのキーワードをひとつのキーワードで括ってみる

〈第二部 ビジョンをつくる〉
■第5章  「最高のビジョン」のつくり方
・Part1. ビジョンを定義する
曖昧な意味で使われることばたち
ビジョンを定義する
20世紀最高のビジョンを見てみよう
なぜ優れたビジョンは伝染するのか
ビジョンの性質・機能と定義
理念系のことばを定義してみよう
理念系ことばの相関図
理念系ことばの事例

・Part2. ビジョンを見出す
ビジョンのためのチームづくり
ビジョンづくりのステップ
探索ステップ 1 創業の歴史を振り返る
探索ステップ 2 経営幹部インタビュー
探索ステップ 3 スタッフインタビュー&アンケート
探索ステップ 4 顧客および社外関係者へのインタビュー
探索ステップ 5 環境を分析する

創出ステップ 1 最初の問いを確認する
創出ステップ 2 マッピング 要素に分解して整理する
創出ステップ 3 マッピング グルーピングで意味合い引き出す
創出ステップ 4 バリューグラフ なぜ私たちはそれをしたいのか? 
創出ステップ 5 バリューグラフ インサイトとビジョンの種を探る
創出ステップ 6 言語化 ビジョンのキーワードをピックアップする
創出ステップ 7 言語化 ビジョンとアイデンティティを形にする
創出ステップ 8 言語化 ビジョンをチェックする

■第6章  リーダーシップがビジョンを定着させる 
ビジョンが定着した状態とはどんな状態なのか
ビジョンと経営トップの関係
リーダーは奉仕者でもある
定着のポイントは自分事化
ビジョンをストーリーとして共有する
行動基準はビジョンに向かうレール
ポジティブ・フィードバックで実践を加速する
ビジョンのためのサポート環境を整備する
ビジョンは経営のスピードを上げる
ビジョンの定着度をチェックする