昨年、人手不足に苦しむ産業界の強い要請に自民党が答える形で

短時間に法制化された”移民”法案。

しかし政府は断固、それを「移民」とは認めない。

5年で帰るから?

 

著者はまずその「移民」の定義を問い、

そこから「移民」の現状をデータで示す。

 

昨年さんざニュースになった「移民」の実態。

日本に行けば稼げると、百万円単位の借金をして、

技能実習生や留学の形で日本に来て、

酷い待遇でもそこを出るに出られない実習生、

学費が足りず、いや、承知のうえで違法になる時間のバイトをする学生。

 

そもそも産業界。

人手不足なのではない。

人件費を削りたいだけ。

確かに経営にとってもはや人件費は変動費。

安くできればするほど、株主の受けはよくなり、自分の報酬は上がる。

 

低賃金のための移民など、労働力の使い捨てに他ならない。

そのしわ寄せは国内の労働者にも及び、収入は上がらない。

むしろ下がる。

 

もともと経済の歴史は搾取の歴史。

先進国、欧米各国が途上国から安い原材料、労働力をせしめ、

自分たちの利益を作ってきた。

それが途上国がどんどん賢くなり、

そうした場がなくなってくる。

その争いが大戦だったわけだ。

遅れてきた日本は袋叩き似合い、敗戦国としていまだ弱い立場にある。

 

地球上に搾取する場所がなくなった今、

経営者が労働者を搾取する世の中を復活させた。

資本論の世界とは違う世の中。

サラリーマン経営者が弱いサラリーマンを搾取している。

そこにはノブレスオブリージュもなく、

使い捨て、切り捨て。

 

それがこの「移民」の背景にもあるのではないか。

日本に来る「移民」は、ヨーロッパに来る「移民」とは意味合いが違う。

違いすぎて、いやな感じだ。

 

 

 

はじめに 「移民」を否認する国
第1章 「ナショナル」と「グローバル」の狭間
第2章 「遅れてきた移民国家」の実像
第3章 「いわゆる単純労働者」たち
第4章 技能実習生はなぜ「失踪」するのか
第5章 非正規滞在者と「外国人の権利」
第6章 「特定技能」と新たな矛盾
終章 ふたつの日本