TBSラジオのデイキャッチやセッション22に時々顔を出す、野球好きのライターさん。
最近ご無沙汰と思っていたら、大病を患っていたようで。祝快復!
そこで出版した自撰集。
凄くいいタイトル。

そして内容は、数多くの野球バカどもを、
丁寧に取材している。
たけのこ生活をしながら無償の野球カードを作り続ける芸術家、
応援歌を作りながら、球団と応援団の板挟みになる若者、、、

ほんとに野球バカ。
何があなたをそこまでさせる。
描かれている人物たちに正直どん引きしてしまう。
なんていうと知り合いには熱烈のロッテファンがいるが、
でもここまでのめり込んではいないわなあ、たぶん。

一方、1970年代のパ・リーグの猛者たちの武勇伝はかっこいい。
門田にストレートしか投げない山田、それをフルスイングで返す門田。
いいねえ。

野球を見なくなってから久しい。
そういえば第1章の近藤唯之さん、
もしかしたら子供のころ愛読していた野球の、巨人の、入門書の著者だったかなあ。
懐かしい。




第1章 君は近藤唯之を知っているか
・3000人以上の監督・選手から話を聞き62冊の著作を持つスポーツライター近藤唯之。
しかし、08年を最後に彼の新刊は出ることはなかった。果たして、
今何をしているのか……。“昭和の野球"を描き続けた
近藤の本を読んで育った著者は、近藤の数少ない知人を頼って、
彼に会おうとするのだが……。

第2章 ヤクルト弁当屋
・東京は巣鴨にある、一見普通の弁当屋。しかし、他と違うのは、
店先にテレビを置いて、通りに向けて野球中継を放送しているところ。
そして“東京ヤクルトスワローズ全144試合 出来る限り生放送中"との貼り紙が……。
イートインスペースがあるわけでもないのに何故?
この店に通い始めた著者が見たものは。

第3章 未完の大砲に見る夢
・横浜ベイスターズの古木克明。入団4年目で22本塁打を達成するものの、
その後あれやこれやでスタメン定着に至らずオリックスに移籍した男。
阪神タイガースの濱中治。ミスタータイガース掛布雅之の背番号を背負い、
生え抜きのスターとして愛されるも怪我に悩み、
オリックスに移籍した男。彼ら“未完の大砲"はなにを考えていたのか。
そして、それを支えていたコーチとファンの気持ちは……。

第4章 鉄砲玉のゆくえ
・福本豊に加藤英司、山田久志に今井雄太郎。
個性溢れる80年代の阪急を生き抜き、鉄拳での指導も厭わない
闘将・星野仙一率いる中日で文字通り戦ったガンちゃんこと岩本好広。
乱闘時に真っ先に飛び出し、ベンチでは盛り上げ役、
投手のクセを見抜いた盗塁も見事。この“星野組の鉄砲玉"は今――。

第5章 文系野球の聖地
東京ドーム、後楽園ホール、場外馬券場のほど近くにこの書店はある。
いや、正確には、あった――。山下書店東京ドーム店。
巷で話題のベストセラー書籍ではなく、野球プロレス競馬の本が
所狭しと並べられたこの奇特な書店の“生態"に迫る。

第6章 ヤクルト芸術家
画家・銅版画家、ながさわたかひろ。ヤクルト戦を毎試合見て、
試合のカギとなったシーンを銅版で描きプロ野球カードにする。
それを球団に持って行き、選手に渡してもらう。
……頼まれてないのに! ギャラもないのに! 自らを選手と自称し、
共に戦っていると自負するこの男を6年にも渡り取材したノンフィクション。

第7章 ジントシオ
中1で日本ハムの応援団員になってから“応援するということ" 
にとり憑かれた男は、ただひたすらに応援団をリードし、
トランペットを吹いた。あの千葉ロッテの応援を生み出し、
日本プロ野球の応援そのものを変えた男の、流浪と苦闘と歴史。

第8章 カープのセカイ
浄土真宗や曹洞宗など、お坊さん100名以上で結成された組織・カープ坊主の会。
“カープファンであるということ"で宗派を超え、
繋がれることを描いた、地域と人と野球を巡るノンフィクション。

出版社からのコメント
第9章 空海と野球
和歌山に敵なしの智辯学園和歌山を率いて、甲子園通算3度の優勝と、
監督通算100試合もの出場を果たした名将・髙嶋仁。
現在は監督を勇退した氏だが、空海が開山した霊場・高野山を
週に2度も踏破する。稀代の高校野球監督が、険しい山道を歩きつつ、
日々考え、頭によぎることは何なのか――。

第10章 小さな村の甲子園、再び
和歌山の山中にある小さな学校・県立日高高校中津分校。
1984年に部員わずか5名で始まった野球部は
1997年、奇跡の甲子園初出場を果たした。あれから十余年――。
分校の野球部を支えてきた後援会、村長、OB、
そして現役の生徒たちの話から紡がれる、とある山村の夢。

第11章 亜細亜ボールの謎を追え
東都大学リーグの雄、亜細亜大学。多くの一流プロ野球選手を
輩出し続けるこの名門には、現ホークスの東浜巨を始祖とし、
代々引き継がれる変化球がある。誰が呼んだか、亜細亜ボール。
東浜巨をはじめ、九里亜蓮(広島東洋カープ)、
山崎康晃(横浜DeNAベイスターズ)、
薮田和樹(広島東洋カープ)の話からみえてきた、
ボールに込めた青春と絆。

第12章 薩摩のチェスト
高校時代に薩摩のイチローと呼ばれ、俊足好守シュアな打撃を武器に
世界を股にかけ活躍した川崎宗則。前向きな姿勢と明るい
ムードメーカーとして、日米問わず多くのファンに
愛されたこの男が、ヒーローインタビューで口にしていた
「チェスト」の叫びとは一体なんだったのか。

第13章 宮本武蔵、大谷二刀斎を語る
説明不要、今もっとも注目される野球選手と言えば、大谷翔平。
投手で一流、打者で一流、空前絶後の成績をあげる
この“二刀流"の真髄を知るには…と著者が赴いた先は、
二刀流の剣豪・宮本武蔵の兵法を今に受け継ぐ道場であった――。

第14章 デスマッチ・ベイスターズ
蛍光灯に画鋲にガラス、剃刀にノコギリ。凶器が乱舞する狂気のリングの
ど真ん中に立つ男、プロレスラー・佐々木貴。
血まみれのですマッチとプロ野球、なにが関係あるのか。
佐々木が口を開く。「僕の人生においてプロレスとベイスターズは
絶対に切り離せない存在なんです」。過剰に弱かった
ベイスターズと何者でもなかった佐々木が、変わるまで。

第15章 町屋の誠也
東京の下町、荒川区の町屋。路面電車と町工場があるこの町で、
今やカープの至宝となった鈴木誠也は生まれた。
彼が所属していたシニアリーグには彼と並び評される男がいた。
同じくここで生まれた無二の親友・松村健と広島の英雄となった
鈴木誠也の、今も続く友情の話。