2015年にエディジャパンが成し遂げたワールドカップでの活躍の
大本となっている理論は、
実はそれより数十年前に大西鐵之祐が構築していた、ということがわかる。
海外の理論をそのまま取り入れても、体格の劣る日本人が海外勢に
勝てるわけがない。
日本は日本の特性である勤勉性や重心の低さを活かして、敵に勝つ方法を考えよ、
エディのいうジャパンウエイを、大西はとっくに実行していた。

それが1971年のジャパンの伝説のイングランドとの死闘であり、
1968年のオールブラックスジュニアへの勝利だった。
かつて日本は世界に通用していたのだ。

もう一人、世界に通用した監督は1989年にスコットランドを破った宿澤広朗。

大西、宿沢、エディ。

ここにもう一人、今年亡くなった平尾を入れたかったが、、、
ジェイミーがここに加わるのだろうか。
あるいは今後、清宮が入るのだろうか。

どうすれば勝てるか。
そのためには必死に相手を研究、分析して、
狙いを定めたら今度は自分のチームを構築する。
ここにはこういう選手が必要。
必ずしもエースである必要はない。
いやむしろエースはいらない。数人いればいい。
これだけが出来れば、という専門職がいればいい。
そこを鍛え上げて、対戦する。
そして最後は気合。
これがなければどんな準備してもだめ。

そのあたりが著者、私が好きな藤島大さんがタイトルにした
「知と熱」に現れているのだろう。
しっかり知的に分析しつつ、熱い!

ジェイミーはそういうタイプではなさそうだが、
来年、ハイランダーズとの契約を終え、日本代表コーチとして定着してくれる
トニー・ブラウンに期待する。

ところで、、、
戦前は日本代表=早慶明に法政が中心だったことが描かれている。
社会人スポーツがまだ立ち上がっていない時代、国内スポーツの中心は
大学だったのだ。

まだその栄光が忘れられない人たちが御存命。
プライドがあるのだろう。

しかし今はもう違う。
多くの学生にとってラグビー部は就職の一手段。
大西氏も悩んだ「プロ化」の正反対で、
地獄の特訓などノーサンキューなのだろう。

ローソンの玉塚氏はラグビーの経験が今のビジネスの基本的考えに
なっているという。
そうなんだろうなーと想像する。
スポーツと人生。
必要なものだと思う。

スポーツを通じて平和を築く。フェアネスでなくジャスティス。
やっていいこと悪いことを判断する。。
大西氏の考えに賛成だ。

藤島さんもどこかのコーチになるといいと思うが、、。

インゴール組―楕円球にしがみついて
戦前のラグビー―「ゆさぶり」対「押しまくり」
ま、銃で撃つんだが―「闘争の倫理」の原点
「展開、接近、連続」―オールブラックス・ジュニア戦勝利まで
歴史の創造者たれ―母国イングランドとの死闘
接近の極致―横井章
テツノスケに教わったんや―小笠原博
デューイを突き抜ける―勝負の哲学
大西アマチュアリズム―決闘の渦中から
体協の名場面―モスクワ五輪ボイコットをめぐって
鉄になる―ドスの青春
愛情と冷徹、信頼と独断―魔術の実相