「山のオーラって不思議だよね。」

と、夫が言いました。

 

 

「どんな所が、

不思議だと思ったんですか?」

と、私が訊きました。

 

 

「だってさ、

果物や野菜は、その物の色が

オーラの色のことが多いだろう。

でも山は、

オーラの色は似ているじゃあないか?

上から出るか、下から出るかは違うけれど。」

と、夫が言いました。

 

 

「確かに、山はオーラの色が似ていますよね。

国は違っていても、

オーラが同じことが多いですね。」

と、私が言いました。

 

 

「でも、代表的な山々なので

似ているのかもしれません。

有名な山はどの国でも、

信仰の対象になっていたりしますからね。」

と、私が続けました。

 

 

「それでも、その山独特の

オーラの違いはありますね。

ウルルとかヴェスヴィオ、

デビルスタワーは分かり易いですかね。」

と、私が言いました。

 

 

「デナリってどうなんだい?」

と、夫が訊きました。

 

 

「デナリって、

昔はマッキンリーって言ったんですよね。

アラスカにあるデナリのオーラを

観てみますね。」

と、私が言いました。

 

 

 

 

「デナリも、上から出てくるオーラです。

すごく大きくて光も強いです。」

と、夫に説明しました。

 

 

「赤いオーラが、大きくて怖いですね。

まさに『偉大なるもの』だと思います。」

と、私が続けました。

 

 

「赤いオーラが上から出てくる山の中でも、

怖いのかい?」

と、夫が訊きました。

 

 

「そうですね。

デナリはまさに『神の山』

なんだと思います。

非常に気温も低いですし、

風も強いとウイキペディアに書かれていました。

人を寄せ付けない『神の山』なんです。」

と、私が答えました。

 

 

「登山はとても危険だろうね。」

と、夫が言いました。

 

 

「デナリへの登山って、

そんな悪条件の中での挑戦に

なるのだと思います。

人としては、

挑戦して征服したいんですよね。

でもその時、山に対する深い畏敬の念も

必要だと思うんです。

山の懐で、自分の存在を確かめる姿勢が

問われるんじゃあないでしょうか?

デナリにしろ富士山にしろ、

山自身を大切に思う気持ちが

まず最初だと思います。」

と、私が話しました。