「『中村仲蔵』のオーラを聞いて、

くるねこ大和さんの話を読んだら

すごく面白かったよ。

孤児から、歌舞伎役者として大成していくのは

本当にドラマチックだよね。」

と、夫が言いました。

 

 

「それでは戦国時代、

幼くして父母と兄が死に

家臣に所領を横領された

武将のオーラを見てみますね。」

と、私が言いました。

 

 

「いったい誰なんだい?」

と、夫が訊きました。

 

 

「毛利元就のことです。」

と、私が答えると、

 

 

「毛利元就って、

『三本の矢』の話だよね。」

と、夫。

 

 

「『三本の矢』の毛利元就です。」

と、私が言いました。

 

 

「それでオーラはどうだったんだい?」

と、夫が訊きました。

 

 

「謀事をしている時は、

中心が青で周りが赤です。

行動している時は緑なんです。」

と、私が答えました。

 

 

「それってどういう意味なんだい?」

と、夫が尋ねました。

 

 

「謀事をしている時、青いオーラで

すごく用意周到ですし、

思慮深くて物事を突き詰めて考えます。

赤いオーラで、

勝利のためや成功のためには、

あらゆる行動と努力を惜しまないのです。」

と、私が答えました。

 

 

「じゃあ、行動している時の

緑のオーラはどういう意味なんだい?」

と、夫がまた訊きました。

 

 

「緑のオーラって、

相手を尊重して、とても愛情深いんです。

また心から信頼できるパートナーとは、

一緒に居ることを望むんです。」

と、私が言いました。

 

 

「で、毛利元就はそんな人物だったのかい?」

と、夫が言いました。

 

 

「そうですね。

亡くなった奥様のことを、

『妙玖がいてくれたらなあ』と

しきりに手紙に書いていたようです。

また、身分の低い家人にも

等しく声をかけ、

餅や酒を振る舞っていたそうです。」

と、私が話しました。

 

 

「心から尊重することで、

家臣や領民の心を掌握して行ったんだね。

そしていざ戦いとなると、

用意周到な謀事を張り巡らせたんだよね。」

と、夫が感心したように言いました。

 

 

「そうですね。

そうやって毛利藩の礎は、

作られて行ったのだと思います。

とてもドラマチックですね。」

と、私が答えました。