人形を作ることはないだろう……
ここ2,3年くらいでしょうか?
自分のなかで、
乾いた隙間風を感じるような静かな変化がありました。
しかしながら、
この思いを、どなたへも話したことは無いにも関わらず。
ふわりと、
オーダーのお話がこの度、舞い込んできたのです。
ほんとうに思いがけませんでした。
前回のMayu's dollオーダーの際、
お受けする決断だけでさえ何年もお待たせしてしまったのですが。
(澄みません、あの頃は心身共にぼろぼろでした……)
今回のご依頼は、
わたしのお腹へ、すとんと落ちました。
新春より、新作の子の着手をいたします。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20201214/18/mayudoll/09/11/p/o0400060014866435066.png?caw=800)
Mayu's doll* No.80「tete」
https://www.mayudoll.com/doll80.htm
そこで、冒頭です。
「人形を作ることはないだろう」ねぇ、どのお口が言ったのかしら?
はい。この口が申しました(笑)
追加オーダーであり、タイミングが良かったこともありますが、
一番の理由はご依頼主さまの笑顔でした。
喜ばれているのが、等身大に伝わってきたのです。
……さやさやと波打つ、我がこころ。
ここ数年、俯瞰するような感覚で、
自分の人形を、自分のわだちを淡々と眺めていました。
そのような私でしたが、
思いかけず、感動していたのと思います。
熱いものが全身にめぐるようなものではなくて。
聴こえるか聴こえないかの如くの、
密やかさで……
そして、鶴の恩返しのような崇高な気持ちさえ、
湧いてきました(笑)
もう、自分の為に人形を作ることは無くなりました。
少しはオトナになったのでしょうか?
ヒトガタを作らなくても、
生きてゆけることを知ってしまったので。
(……え? 問題発言?!)
ですがですが、、
どなたかが楽しみにして下さる限り、私は細く細く続けて参ります。
あなたの前で、お約束いたします。
少女人形作家 摩有