その女性は、
ふと、茶目っ気のある表情を作ったかと想うと
彼に向って目をつぶり、唇を突き出してみせた。
キスのまねごとだった。
『感傷的な午後の珈琲』小池真理子氏
エッセイ集ではあるけれど……
久しぶりに
本へ触れることが出来た。
ビジネス書や
仕事に関する資料は、別として。
見るでも読むでもなく、「触れる」行為。
言葉から伝ってくる
息遣いや体温、肌ざわりを慈しむ……
それなのと
つくづく感じた私なのでした
Mayu's doll -No.55 Rui(ルイ)
冒頭は、曾孫ほど年の離れた介護士へ
甘える女性──
そこに、大人の女の媚はなく。
94歳の彼女は、
大好きな兄や父に甘える少女にしか見えなかった、
と著者は、言う。
「人生の苦悩や悲しみ、切なさ、
さびしさを絶叫するかのように周囲に垂れ流すのではなく、
もっと格好よく受け止めて、
自分の中で処理したいと願っていた。
そうできるようになるためには、
若さや少女性は何よりも邪魔だったのだ」
その言葉に、私も著しく共感!(苦笑)
しかしながら。
自分の中には、若いころと同じ少女が一人、
棲んでいることも認めている。
おしゃれをし、紅色に染めた唇を突き出して、
10代の若い男(介護士)に、キスをせがむおばあちゃん……
なあんて、素敵じゃないかしら。
戌年さんへバトンタッチした酉年の私ですが、
将来の目標はそのあたり、ね?
うふふ。。
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