ふと見たら、腕時計の文字盤を覆うガラスが外れ、
むき出しになっていた。
淡路町にある、島根料理のお店でのこと。
しかも、何かの際に
秒針が歪んだのか、8時のあたりで引っかかったまま。
いったい、ど、どこで……?!
バスに揺られ、本屋へ立ち寄り、
地下鉄に乗り、小川町の駅でお手洗いを借りた。
……あぁ、今ごろ気付いても、もう遅い。
諦める? そんなのイヤ。
修理に出す? でも、在庫なんてあるのかしら?
買い換える? ん……
頭がもやもや、胸がちくちくする中、24時間が経過。
ふと思い出したように、バッグの中身を取り出し、
覗き込んでみたら、内ポケットの奥にキラリ、と光る何かが!
世界が薔薇色になった。
うふふ…… やっぱり、この腕時計がいいの。
:
以前、心理テストで、
「あなたにとって、腕時計って何?」そんな質問があった。
「そのひとにとっての恋人の存在。価値観」を
その返答で、知られると云うもの。
「いつもはなくてもいいけれど、
いざと云う時には、必ずあって欲しい」と私は答えた。
20年前と同じ。それはやっぱり、今でも変わらない……。