曇天の空を仰ぎながら、
これで霧雨でも落ちてくれたら、と祈りつつ、
赴いた先でお日さまの姿──
あら、私ったら、晴れ女だったのかしら?
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4月の末、ある小説を読み終わった。
1970年代の
連合赤軍リンチ事件をなぞるような話の展開がある。
とある女子学生の、糞尿にまみれ、異臭を放つ
その死体を見た主人公は、次は私の番だ、と本能的に悟る。
死体を山林に埋めて来いという、指令に従いつつも、
逃げるのは今しかない、と数百円の全財産と
懐中電灯一本だけで、闇の中をひたすら逃走する。
その後、匿ってくれた青年との奇妙な暮らし──
恋愛とはどこか違う、癒着とも寄生とも云えるような繋がり。
それは、かつて体内に埋め込まれた異物に、
自らの組織が複雑に絡みつき、
もはや、剥がすことのできなくなった有様にも似ている……。
その男女が、
三十年以上の年月を経て、再会するのが『鎌倉湖』だった。
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読み終わった後、
行かなくては! と強烈な想いが込み上げた。
けれど、鎌倉に赴くなら、梅雨の時期にしたかった……。
ときおり、こんな風にして小説に登場したワンシーンを求め、
ときおり、こんな風にして小説に登場したワンシーンを求め、
そこへ、ぽんっと身を放り込みたくなる。
手に触れ、匂いを嗅ぎ、私の中で何かが息づく、その快感。
それはそうと、ふと足首をみたら、
それはそうと、ふと足首をみたら、
極彩色の毛虫が、もぞもぞと息づいていた。
思わず、きゃッ! と声をあげてしまった私は
あぁ、せっかくの舞台を台無しにしてしまったかしら?