少女期に見た、あのモノクロームの映画は、
残像が色鮮やかに焼きつき、その夜は眠れなかった。
哀しいとか可哀相とか、気持ち悪いとか
そう云った感情や感覚よりも、
もっと強い何かに、私は引き寄せられた。
見世物小屋で好奇な目で観られ、謗られ、
虐げられてきた男には、
緻密で美しい寺院の模型を造る才能があった。
材質は、確か紙だったか……
材質は、確か紙だったか……
完成させたそれに、彼は自分の名をサインする。
その後、自ら選んだ死に安らかに落ちてゆく。
少女の私は、胸が熱くなった。
彼は、自分が存在した証をそこ、に刻ましたのだ、と。
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前置きが長くなりました……(苦笑)
実は今回、オークションにてご落札頂いたお人形に、
サインを入れてください、とのご要望がありました。
お客さまからは足の裏へ、とあったのですけれど
より格好の付く、うなじへと彫刻刀で彫り込みました。
Sさん、勝手にごめんなさい。
初めての試みでドキドキしたのですけれど、
「感無量」とは、実に、このこと――
あぁ、何だか病みつきなりそう……。
今後、mayu's doll をお迎えする際、
ご希望がありましたら、おっしゃって下さいね。
我が証、張り切って彫り入れちゃいますから(笑)