追想・・・Ⅳ | ばあちゃんの福袋

ばあちゃんの福袋

ボケ防止のため はじめたブログです。
 なるべく更新できるように 頑張ります。

えっちゃんは東北出身で、訛りがあったけど、その訛りが可愛くて

いつも皆なの人気者だった。


メガネをかけていて、長身で見た目はインテリ風だったけど、

することは結構、はちゃめちゃだった。


部屋の中にロープを渡して、洗濯物を干したり、脱いだ服を掛けたり

して、部屋の先輩や、寮母さんによく怒られていたけど、えっちゃんは


「これが、生活ってもんだべ」


とあっけらかんとしていた。


そんな、えっちゃんがとても大切にしている物があった。


それは・・・布団・・・。


就職する時に、親が買ってくれた物だからと・・・。


私達が、えっちゃんの部屋に遊びに行ってその布団に乗ったり、座っ

たりしようもんなら、もう爆発したみたいな勢いで怒ってきた。


金襴緞子の花嫁衣装のように綺麗なその布団は、えっちゃんが就職

する時、唯一、親が買ってくれた物だという。


「普通じゃないの」って思ったけど、そうじゃなかった。


「金も無いのに無理して買ってくれたのさ」


ポツンと短く言ったえっちゃんの言葉を聞いてからもう誰も、えっちゃん

の布団に座ることはしなくなった。


えっちゃんは、「ウチはほーんと貧乏なのさ」・・と言いながら、給料の

ほとんどを、仕送りしていた。



ともは、4人の中では一番目立たない存在だったけど、彼氏が出来た

のは、ともが最初だった。


ともは、日焼けしていて活発なイメージの子だった。

さっぱりとした性格で、何事もテキパキと決めていった。


付き合おう・・・って言われて。  いいよ・・・って答えたのだという。


結婚するわけじゃないから、いいじゃん・・・っていうのが、ともの考え方

らしい。


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一年ほどして、私はこの会社を辞めたが、親の腕の中から飛び立って

はじめて出会った、 知らない他人 ・・・・・・・・・・・・。


皆な、みんな、元気でいるのかな?


えっちゃん、とも、美鈴・・・・・・私達、もう還暦だよ・・・・・・・・・・・・・・・。