識名愛衣は、眠りから醒めない(イレス)特発性嗜眠症候群患者三名を受け持っていた。
祖母のユタ(霊能力者)を受け継ぎ魂の救済(マブイグミ)の方法で患者に挑む。
愛衣は、一人目の患者二十一歳、片桐飛鳥さんの額にそっと手を置き夢の中に飛び込む。
そこでは愛衣の魂の分身ククル(うさぎのような猫)が待っていた。
飛鳥さんは、父親と同じパイロットを志して勉強中に、父親と小型飛行機に乗り事故に遭い、片目を失明していた。
夢の中では夢幻の世界が続いていて、強制的な仮死状態になり醒めない夢を見続ける
夢の中の様子で七色の幾重にも織り重なるオーロラが浮かんでいる感覚
波打ちながら色彩を変える鮮やかな艶やかな輝きといった表現が
パイロットになる夢を見て育った飛鳥さんの希望のような果てしなく広がっているようでした。
飛鳥さんのお父さんが最後に取った行動の解明は、愛衣が医者だからこそ突き止められたんだなぁと思いました。
飛鳥さんのククルの小鳥が羽をもぎ取られて、弱った姿を現す。
その鳥がマブイグミが終わろうとすると、大きな白鳥に変化して大空に飛び立つ。
涙腺が止まりませんでした。
次の患者の佃三郎、七十ニ歳、弁護士
夏祭りで出会った少女、聡子と出会い、常に「正しい」行いをという気持ちで、聡子さんと(妻)と二人三脚で生きて来た。
妻が二年前に亡くなっても、正しい行いをして来たが
ある裁判の弁護を引き受けたことで、
正しいと思ったことが、間違いだった。
夢の中に入った愛衣は、
恐ろしい限りのない数のっぺら棒に追いかけられながらも、
なんとか三郎のククル(少女)を見つけ出す。
このククルは、もしかして、幼少の頃の妻の聡子さんかなとすぐに思ってしまいました。
愛衣は、部屋の鏡が全て割れていたこと、遺体の状況から
被害者が「醜形恐怖症」だったのではと
判断してマブイグミを成功させる。
霊能者(ユタ)とは生命がけの仕事で、体力がいくらあっても良いくらい消耗してしまい
その上、誰にも打ち明けることが出来ない
貴重ない存在だなぁと思いました。
愛衣が二十三年前に心の傷を負った事件がまだ明らかになっていない事と、
現在の連続殺人の事件との
このイレム患者たちのつながりが仄めかされている様子があり
続きが気になります。
「下」」に。
